HoloLensとは…?
HoloLensとはざっくり言いますと、
このイラストのようなことができる機械になります。
もう少し詳しく説明しますと…
- 現実の空間にCGなどで作られたグラフィックを投影できる、**MR(複合現実: 拡張現実「AR」と仮想現実「VR」を融合させたような概念)**を実現するためのMicrosoft製のデバイスです
- 見た目はOculusのようなゴーグル型ですが、VRとは異なり現実世界にグラフィックを重ね合わせる必要があることから 透過型のディスプレイ になっており、また 各種センサやCPUやGPUが組み込まれたWindows 10が動作するPC でもあります
- 開発者向けのドキュメントやSDKが公開されているため、自由にHoloLensを利用したMRアプリケーションを作成できます
- ゲームだけではなく、上記イラストのような遠隔医療といった幅広い応用先が期待されることから注目を集めています
届きました
2017年1月18日から、日本国内でも販売が開始されたため、弊社にも早速2台届きました。
薄くてちっちゃいマニュアルは、日英両言語対応、本体には技適マークも付いており、日本に対応した製品だと実感できました。
しかし、中身は日本語向けに特別な対応がされたわけでもなく音声認識も基本英語なので、正しい英語の発音が出来ないとなかなかセットアップが進まないことになります。
また、Windows StoreにおいてあるHoloLens向けのアプリも今の所は英語ベースのものが多いので、リスニングも出来ないとゲームなども十分楽しむことはできません。
Microsoftのサイトには、
「HoloLens Developer Edition および Commercial Suite は、消費者契約法第 2 条において消費者にあたらない開発者向けのみの販売となっています。商品とその関連サービスおよびサポートは英語のみでのご提供となっています」
とありますので、まあ、仕方がないとは思いますが。
文頭のイラストの感じを真似するには、HoloLensでHoloHeartをすると良いと思います。
このHoloHeartは3Dの心臓を拡大縮小回転させて眺めたりするものなのですが、「beat」と発音すると心臓が動き出して少々気持ちが悪いアプリです。
丸一日付けっぱなしにしてみた
何事も体験しなければ始まらないだろうということで、業務をしながらですがオフィスにて丸一日付けっぱなしにしてみました。
気がついたこと
- VRと異なり全く酔わない
- 現実の風景が見えるというMRの特性だからなのか、酔いは皆無です。オフィスにはVRよりもMRが相性がよいかもしれません
- HoloLensの専用収納ケースにしまい込むのが面倒
- 専用収納ケースにしまうにはベルトを絞った状態にし直す必要があり面倒です。100均で売ってる発泡スチロールのマネキンの頭部みたいなものに置いておきたいと思っています
- 寝ながらの利用が難しい
- 寝たまま複数のウィンドウを開いて操作できると楽そうで良いなと思っていたのですが、後頭部に出っ張った部分があるので、それが枕などにぶつかり、頭を自由に動かせません
- 頭を動かせないということは、HoloLensではマウスを動かせないことと同義なので辛いです
- Windows10以外での開発が難しそう
- UnityはWindows版以外が存在しますが、HoloLens用の拡張部分はWindows版以外だと見つけられませんでした
- 私はMBP上のVirtualBoxに入れていたWindows10に、Unity最新版を入れてビルドを行いました
- Visual Studioでビルドせずに、UnityからHoloLensでプレビューする方法は、何故か今回実行できませんでした(connectボタンが押せず)
よく聞かれたこと
- ずっと装着していたけど辛くなかった?
- 頭の上を通る補助バンドを着けた場合は、HoloLensを装着しぱなっしでも耐えられますが、補助バンドがない場合は厳しいです。ただし、周りの人が違和感に耐えられなくなるので、装着者の周囲の慣れが必要です
- 肝心の着け心地は?
- 補助バンドの有無で大きく変わります。補助バンドありだと装着感は良いですが、無い場合は重さが辛いです
- ポインタ操作(視線の先に点として表示されるマウスカーソルのようなもの)って慣れるの?
- 頭を動かす必要ある点はやや面倒ですが、数時間で慣れてきました。本当は視線のみで動くと嬉しかったのですが、現状のHoloLensの限られた視野を考えるとちょうどよいトレードオフかと思います
次回予告
- 2つのHoloLensで同じ空間を共有するアプリケーションの仕組みと、その作り方を共有します
- 応用例のアイデア出しや実装を試していきたいことはもちろんとして、社内外にHoloLens(MR)体験をもっと布教していきたいと考えています
- AR/VR/MRの研究開発は担当者を置いて重点的に進めていく予定です。お楽しみに!
※2つのHoloLensを使って同じ空間の同じグラフィックを共有している図です