フューチャー技術ブログ

「スマートグラスを使った革新的なビジネスを考えるアイデアソン」の実施報告

こんにちは、フューチャーのSAIG(Strategic AI Group)所属の佐藤です。

フューチャー主催でアイデアソンを開催し、運営としてとても勉強になりました。
この場をお借りして、当日の様子をお伝えします。

概要

Ahmet Misirligul/shutterstock.com

2019年3月21日に大崎Think Park Tower 9Fにて、『スマートグラスを使った革新的なビジネスを考えるアイデアソン』と題してアイデアソンを開催しました。

スマートグラスで未来の生活を実現する革新的なビジネスのアイデアを考えたい、そんな熱い気持ちを持った17名の方々にお集まりいただきました。また、スマートグラスを提供している各社が集い、最新のスマートグラスの体験会も開催しました。

お忙しい中アイデアソンにご参加いただいた皆さま、体験会にご協力いただいた各企業様、本当にありがとうございました!

実施内容

下記スケジュールで実施しました。

No. 時間 内容
1 10:30-11:15 各社のスマートグラス体験会・個人でアイデア検討
2 11:45-12:30 個人のアイデア発表
3 12:30-12:45 チーム分け
4 13:30-16:30 アイデアのブラッシュアップ
5 16:30-17:30 アイデア発表・投票
6 17:30-19:00 表彰式・懇親会

スマートグラス体験会

アイデアソンを始める前に、各社が販売している最新のスマートグラスの体験会を実施しました。体験会では、協賛企業5社の製品と弊社が所持しているHololensを体験していただきました。

簡単に紹介します。(各製品名をクリックするとHPに飛べます)

JMACS株式会社様

  • HMT-1Z1
    • 現場作業向け防爆スマートグラス
    • 可燃性ガスが発生する場所や粉塵が存在する場所など、爆発の危険性がある場所で使用可能な国内初のスマートグラス

santec株式会社様

  • M300
  • AceReal(防塵防滴)
    • 現場作業向けスマートグラス
    • スマートグラスで現場映像を本部に送り、本部からの指示画像を目の前のモニタに投影
    • 音声指示を取得することで、より適切な現場対応を実施

レノボジャパン株式会社様

  • Mirage Solo
    • 世界初のスタンドアロン型でかつDaydream対応、WorldSense搭載のVRヘッドセット
    • 体験会では、避難訓練を疑似体験

セイコーエプソン株式会社様

  • MOVERIO BT-300
    • 紙に書いてある絵が立体的に浮かび上がるARグラス
    • 絵に塗った色を投影
  • MOVERIO BT-300
    • いつでもどこでもパーソナルシアターが楽しめるARグラス
    • リモコン内蔵のAndroid端末の映像を、目の前に大きく投影

QDレーザ株式会社様

  • RETISSA Display
    • 眼球に直接レーザーを照射するARグラス
    • 視力が低い人でも映像が鮮明に見える医療向け機器

フューチャー所持機器

  • HoloLens
    • Microsoft製のARグラス
    • アイデアソンではFuture社員(澤田)が開発したアプリ『Potato Head』(人の顔をじゃがいもに変換するアプリ)を体験

チーム分け・発表準備

チーム分けと発表準備は、以下の流れで実施しました。

  1. 1人1アイデア宿題として事前に準備した内容を個人発表
  2. 各発表を聞いて良いと思ったアイデアに投票
  3. 投票の結果、上位チームの中で「もっと深堀したい!」と思ったアイデアを選び、アイデアごとにチームを組む
    • 上位に入れなかったアイデアでも、「どうしても自分のアイデアで戦いたい!」と思う人は『情熱枠』として自分のアイデアで参加も可能
  4. 制限時間内にアイデアの深堀とプレゼン用スライドを作成し、発表会を実施

各チーム時間をフルに使って、アイデアのプラッシュアップと発表資料の作成に取り組んでいました。

アイデア発表

各チーム5分の持ち時間で、以下の順番で発表会を実施しました。

         No.                                  チーム名                                                 タイトル                         発表内容
1 SGGG Smart GyoGyo Glass 漁業へのARの活用。魚群の場所、魚の種類や大きさ(食べごろかどうか)、漁獲可能な量などの情報を表示する。
2 Team Trust ARマッチングアプリ 婚活へのARの活用。婚活パーティーなどで、参加者の特徴や趣味が合う参加者などを表示する。分析結果をマッチングビジネスの企業に提供することで、収入も得られる。
3 TRIATE WANT ONLY 見たいものだけをARで投影する。例えば、怒っている人を猫やVTuberに変換する。労働をその人が好きな娯楽に変えることもできる。
4 COACH What the food looks Like ARでレストランのメニューを投影。レストランで作られている料理を注文前に表示することで、顧客が期待する大きさや見た目のイメージと実際に提供される料理との乖離を回避する。
5 キモチ開発 キモチみえるめがね ARを用いた感情分析・表示による育児支援。子供の感情を表示して育児に役立てる。また、子供の片付けのガイダンス(片付け場所の指示)など、子供の教育にも活用できる。
6 ハッピーターン ショパナビ ARによる買い物支援。家の冷蔵庫など、IoT家電とスマートグラスを連携。買い物が必要な食材等をスマートグラスに表示し、販売されている店舗に誘導する。店舗内でも、当該食材がどこにあるかを表示、誘導する。
7 ふくじんチーム アラート・グラス 周囲の危険を表示。例えば、背後から車が来る場合に警告を表示するなどといった機能を提供する。表示だけでなく、音声による警告も発することで、視覚障害者にも対応する。
8 コーヒー スタイリングアプリ 女性のスタイリング支援。事前にカメラで体型を撮影し、サイズ等を登録しておくことで、朝、忙しい女性のスタイリングをARで実施する。女性の好みを記録しておくことで、その後のアパレル企業のマーケティングにも活用できる。

各チームとてもユニークで革新的なアイデアの発表でした。

結果発表・表彰式

各チームの発表が終わり、参加者・参加企業・運営メンバによる投票で順位を決めました。
見事、最優秀賞を獲得したアイデアは…

キモチ開発『キモチみえるめがね』!!!

おめでとうございます!

発表内容は、子育て支援をするためのARグラス。
アイデアの背景として、核家族化する日本社会で、育児の大変さも増している現状があります。

ARグラスをかけた親は、まだ話すことのできない子供の感情を読み取り、子供とのコミュニケーションをより密に図ることができるというアイデアでした。

さらに、こどもが大きくなってからはARグラスを装着することで、片付けのガイダンス(片付け場所の指示)が表示され、教育にも活用できるというアイデアも盛り込まれていました。

人は生後間6ヶ月ほどの間は顔認識を頼りにしていること、両手で片付けをすべきであることから、「スマートグラスでなければならない」ことを強く伝えていた点も印象的でした。

キモチ開発チームの2名は、チーム分けをした時点ではそれぞれ情熱枠で1人チームでしたが、ブラッシュアップ中にそれぞれのアイデアを活かして1チームになったとのことです。

それぞれのアイデアを活かしつつ協力して勝ち取った最優秀賞でした。

キモチ開発のお二人には、2019年05月21日発売予定の『Oculus Quest』が贈呈されます。

まとめ

今回のアイデアソンのタイトルの通り、革新的なビジネスのアイデアがたくさん出たアイデアソンでした。アイデア次第で、ジャンルに囚われることなく様々な場面に活用できるのが、スマートグラスの強みであり面白いところだと感じました。

私は運営としての参加でしたが、次回はアイデアを考える側として参加してみたいと思いました!