2019/02/15にDevelopers Summit 2019のランチセッションにて、RedmineとそのプラグインであるLycheeのユーザ事例として登壇しました。
登壇内容は、【導入事例】Lychee Redmineのユーザが語る!トラブル予防としての使い方です。
ここに至るまでの背景と、当日の状況についてレポートします。
Redmineとは
RedmineとはOSSのいわゆるタスク管理ツールです。
ワークフローや管理項目などを自由にカスタマイズして利用することが可能です。
Ruby on Railsで構築されており、たくさんのプラグインを組み合わせてユーザ自身の手で機能拡張させることも可能です。
弊社では社内の標準的なプロジェクト管理ツールとして広く利用しています。
Lycheeとは
Lycheeはアジャイルウェアさんが開発されたRedmineのプラグインの一種です。
https://lychee-redmine.jp/
プロジェクト管理に便利なツールが多く、重宝しています。
筆者について
新卒でフューチャーに入社し、我ながらぞっとしますが勤続20年以上になります。
Windows 95が出た3年後に入社し、当時は社員数が100人くらいのでした(※2018年12月末だと連結で1984名)。
「いわゆる名の知れた大学と大学院まで出たのに、未上場の会社に入るなんて!」といった当時の世間の常識や、親の涙に抗い、社会人生活をスタートさせました。
Futureは難易度の高いプロジェクトを手掛けるわりに、トラブルは少ない方だと思います。
しかし、私はほぼトラブル中のプロジェクトにアサインされ続け、かなり厳しくソフトウェアの品質について考え抜きながらプロジェクトマネジメントを経験してきました。
そこが評価されたのか、2013年から社内の品質管理の室長に任命され、全社の品質基準の策定、プロジェクト状況の可視化、分析など多くの取り組みを行いました。
苦しい時もありましたが、人生は苦味も含めて味わうと豊かになるものだなーと最近は考えています。
そんな折、2018年10月になぜか人事の責任者になりました。
品質管理室長からは離れなかったので、現在兼務です。
品質管理室ではRailsでアジャイル開発し、その前はミッションクリティカルな基幹系システムを開発してきましたが、人事と兼務ともなるとそれはなかなか出来ません。
したがって、他のデブサミ登壇者に比べると私はかなり異色な背景を持っているし、純粋なITエンジニアリングの力で比較すると彼らの方が上でしょう。
入社当時に考えていたキャリアとは遠いのか近いのか、今ひとつ分からない所もありますが、人間万事塞翁が馬だと考えれば、もはや何でもありですね。
デブサミ登壇に至るまで
RedmineにLycheeをかけ合わせて利用しているのは、「単に便利だから」という理由ではなく、品質管理の一環として必要な機能だと思って利用しています。
そのため、それなりのこだわりやコツもあったこともあり、事例紹介自体は問題なかったのですが、果たしてデブサミにふさわしいコンテンツなのか??というのは非常に心配でした。
エンジニアというのは、如何に自由に大空を飛びまわれるか? ということを追及している人種に違いない。
大空というのは制約のない世界だと思うので、私のような「品質管理」なんてものは「制約万歳」に脳内変換されてるんだろうなーと思うわけです。
ただし、引き受けた以上はやりきるのがビジネスパーソンの矜持。
価値というのは相手によって変わるので、完全アウェイであっても、喜んでもらえるコンテンツを提供せねばならない・・。
会場も50人くらいなのかな? と思っていたら200人くらいは入るかなりご立派な部屋になっており、じわじわと迫る後悔とプレッシャーの中で当日を迎えました。
発表コンテンツ
単なるプラグインの使い方を説明しても面白くもないし、役に立たないと考え、トラブルの予防にターゲットを絞りました。
なぜなら、エンジニアであればチャレンジしてるに違いない
↓
チャレンジしてるとトラブルに会う確率は高いに違いない
↓
みんなトラブルは嫌だろうなー
↓
じゃあ予防出来たらみんな幸せだろうなー。そうだそうだー。
…ということで、「Lychee Redmineのユーザが語る! トラブル予防としての使い方」という、今見ると大してキャッチ—でもない普通のタイトルで出陣しました。
当日の様子
デブサミだけあって、来場者の大半はエンジニアです。フリーダム感漂う参加者が多く、会場に入った瞬間からアウェイを満喫。うむ。予想通り。
登壇者は専用の控室が用意されており、逃げ込むように控室にたどり着きます。
しかし、控室にいらっしゃった他の登壇者の方々は、フリーダムに一層の年季が加わっており、実に堂々たる風貌。圧倒されました。むむ。予想外。
ここでは気持ちが落ち着かないなーということで、多少のホーム感を感じる小ぶりなスポンサー控室に移動しました。
私の前に話すはずのスポンサー社長がなかなか来場しないというハプニングもありましたが、コーヒーを無駄におかわりしながら前日まで推敲していた資料を確認し、登壇の時間を待ちます。
発表しました
来ていただいた人に、何かしら価値あるものを持って帰ってもうことをミッションに設定し登壇しました。
タイトルがタイトルなだけに、ご来場の方々の年齢層は少し高かったように見え、エンジニアというよりは管理者の人が多かったような印象を受けました。
当日の発表の様子もCodeZine様より記事になっております。
https://codezine.jp/article/detail/11427
極力平易な言葉と、エピソードを織り交ぜて話すようにしたので、集中して聞いてくれていたように思います。
後でTwitterを見ましたが、時間が足りなくて省略した部分についてもっと聞きたい、というような声も上がっており、概ね良かったのかな? と思います。
声を褒められたのはうれしかったかな^^
感想
今回、ニーズにあっていたのかどうかが正直なところ一番の不安でした。
しかし、こういった場に出ることで、自分の頭が整理されますし、客観的に振り返ることが出来るには、とてもいいタイミングだったなと改めて思いました。
それと同時に、本来はもっとこうしたいが、できていないこともまた浮き彫りになります。
別の方の発表の中で、「組織を変えるにはルールと設備と風土の3つが大事」、といったことを発言されており、心に深く突き刺さっています。
風土を変えるのが一番難易度が高いし、時間がかかりますよね。
今回の私が登壇した内容も、ルールと設備に限った話でしたので、次回は風土に対する取り組みも話せるようにしたいと思います。