SAIGの金子です。
この記事は秋のブログ週間連載の第5弾です。
はじめに
想定読者
- HACK TO THE FUTURE等でフューチャーに興味を持った競プロerの方
- 純粋培養競技プログラマが就職するとどうなるのかが気になる方。
自己紹介
2020年4月に入社した金子と申します。大学は薬学部出身で、入社までは競技プログラミングやデータ分析コンペを通じてプログラミングを勉強していた純粋培養型? の競技プログラマです。普段競技プログラミングはアルゴ、データ分析の他にマラソンやゲームAIのコンペにも参加しています。
フューチャー・SAIGについて
フューチャーはITによる問題解決を行う独立系のITコンサルティングファームです。ITコンサルティングファームは経営戦略に基づくIT戦略の立案から、実際のシステムの企画やITインフラの構築までを行っており、特にフューチャーはベンダーのグループ会社に属さない中立の立場からコンサルティングを行っています。
フューチャーではプロジェクト毎にチームを作り業務を行っていますが、SAIGは複数のプロジェクトに渡って横断的にAIに取り組む人材を集めています。入社前に私はここでアルバイトをしていて、現在もAtCoderJobsを通じて応募してくださったたくさんの競技プログラマが社員やアルバイトとして活躍しています。
この記事の概要
この記事ではまず私のフューチャーでの体験記を書き、次にフューチャーに興味のある方が気になりそうな項目について項目ごとにまとめていきます。
アルバイト時代について
入社前の約半年の間、私は内定者アルバイトを行っていました。
アルバイトの業務は私の競プロ特性に合わせて即戦力として働けるような業務が用意されていて、私は組み合わせ最適化でスケジューリングを行うエンジンの開発やデータ分析にとりくんでいました。
また競プロを業務に活かすだけでなく、業務で上長や他のアルバイトの書いた最適化のコードから技術を吸収することで競技プログラミングにおいても強くなることができました。
総じて、アルバイトは技術を磨いて活かすのにいい舞台だったと感じています。技術のサポート以外にもアルバイトでは月1で上長との1on1面談があり、就活や進路について相談もできるので、フューチャーの技術に興味のある学生はAtCoderJobsのページ等を通じてカジュアルに相談を行ってみるといいと思います。
入社・研修を経て
Jobsバイトの時は競プロer向けに用意されたタスクを競プロerの社員やJobsバイトの仲間に囲まれて仕事をしていましたが、入社して競プロer以外との同期と接し、コンサルティング業務に関わる研修を受けるようになりました。
2020年に入社した100名超の社員の内プログラミング選考合格者は約3割で、その中には競プロ経験者が一定数いました。とはいえ大多数が非競プロerであり、かつフューチャーは(私から見て)体育会系の社員が多くいるので馴染めるかどうかが心配でした。
もし、競プロerの新人が私一人だったら趣味がよくわからないなんかヤベーやつで終わっていたかもしれません。
しかし、競プロerが複数同時期に入社したことで新人の間で「競技プログラミングとやらをきっかけに入社した集団がいるらしい」という事が広まっていきました。他の同期の競プロerの社会性は高く、研修内容について新人同士で教えあい、交流会を定期的に開催しているうちに新人内の競プロ認知率は100%になりました。今も入社してから競プロを始めたメンバーを含むチームで定期的にバチャコンを開催しています。
フューチャーの雰囲気について
フューチャーの雰囲気については、プロジェクトごとに個性も変わって一概には言えないのですが、社全体としてイベント好きな空気を強く感じています。他人の好きなことを知りたい、自身の熱意を注いでいるものを伝えたいという社員が多く、この技術ブログの連載企画や競プロバチャ以外にも社内ではLT大会や勉強会等が頻繁に開催されています。
また、社内では年に一度BPY(Best Project of the Year)というイベントがあり、そこで自身の所属するプロジェクト以外が一年間なにをしてきていたかを知ることができます。
BPYは全社イベントですが、その他は任意イベントのため興味のあるイベントについてつまみ食いできるのが個人的にも好きなポイントです。
技術以外で競プロが業務の役に立つことについて
フューチャーに入社してから仕事をするにあたって、気を付けるようになったことがあります。
AI案件についても初めから成果物の最終形が決まっている訳ではなく、顧客の要望から共に創り上げていくことが多いです。そのため、プロジェクトが始まった時はまず関連する書籍があれば読む、アプリ等があれば使う、店舗があれば実際に行くことを通してドメイン知識をひたすら集め、顧客やユーザーの視点を解像度高く持つことに気を付けるようになりました。
この作業は入社したての頃は苦手で、調査の仕方が分からず右往左往していました。ただ、この作業はデータ分析コンペでドメイン知識から予測対象のふるまいをモデル化する部分に通じるものがあり、アルゴリズムやテクニック以外で競プロの経験が活きる部分だと気づきました。業務と競プロは異なる部分が大きいのですが、楽しめる部分・活かせる要素は幅広くあると感じています。
まとめ
フューチャーで働き始めて約1年、社内に競プロが浸透しているおかげもあり楽しく業務に取り組めています。競プロで学んだ手法やスキルは業務に活用できる部分があり、かつ業務で学んだこと・興味を持ったことも競プロに活かせて良い循環を感じています。
一方でITコンサルティングには幅広いスキルが必要で、まだまだ自身の力不足勉強不足を日々痛感しています。社内には様々なスキルを持つ人がいるため、周囲のスキルを吸収しつつ社会にアルゴリズムで大きなインパクトを与えられるよう精進していけたらと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。