フューチャー技術ブログ

Future Tech Night #13「アジャイルと品質保証を考える勉強会」

はじめに

フューチャーアーキテクトの岡部です
2021/7/9(金)にFuture Tech Night #13~アジャイルと品質保証を考える勉強会~を開催しました。

私は新卒でフューチャーアーキテクトに入社して、現在は品質管理部門で、全社横断で設計開発の品質向上プロセスの策定・実行を担っています。

品質管理部門として、アジャイル開発を採用しているプロジェクトに関わることがあり、縁があって今回の勉強会に登壇することになりました。

今までのFuture Tech Nightでは、プレゼンによる事例紹介がメインでしたが、今回は事例紹介に加えて、パネルディスカッション形式を取り入れて、開催を試みました。当ブログ記事にて、当日のコンテンツ紹介いたします!

事例紹介

当社のコンサルタントの宮崎より、アジャイル開発の基本的な考え方と推進する上での苦労話や実際の工夫・心掛けているポイントを現場の実体験を添えて、紹介してもらいました。

詳細は、以下の資料をご覧ください。

余談ですが、宮崎とは新卒同期で数年前に同じプロジェクトで仕事をしていたこともありました。私自身はアジャイルでの開発経験はないのですが、現場がイメージできる内容のプレゼンでした。

パネルディスカッション

パネラーには事例紹介を行った宮崎に、当社のコンサルタントの澁川を加えて、私がモデレーターを務めて、パネルディスカッションを行いました。
ディスカッションテーマは下記の2つ用意して、参加者からQAを交えながら、進めていきました。

(1)アジャイルならでは勘所とは
キーワード:ベロシティ、スクラムマスタ、見積もり、etc

(2)アジャイル開発での品質保証
キーワード:非機能要件、仕様書作成、テスト手法、etc

私からはウォータフォール開発(以下WF開発)とアジャイル開発の比較という切り口で質問をして、ディスカッションを深めていきました。事例紹介で上がっていた「ベロシティが上がらない」「品質が維持しにくい」、について対するディスカッションを一部抜粋して紹介します。

ベロシティが上がらない

岡部「アジャイル開発において、ベロシティが上がらないことは、WF開発における遅延にならないか。アジャイル開発ならでは難しさはあるか?」
宮崎「アジャイル開発とWF開発の大きな価値観の違いとして、アジャイル開発はベストエフォートで進めるという価値観があり、ときには進捗が上がらないことを許容できる状況でないアジャイルはやりにくい、納期や機能数が決まっている状況では、WF開発を選択した方がいい」
澁川「ベストエフォートと違う言い方をすると、バッファを積むか積まないかの違いだと思う。WF開発は見積もりにバッファを入れることが通例であるが、アジャイル開発はバッファを積まず、予定より早く終わったら、次の機能開発に着手するという考え方があり、バッファを積まない。その代わりにベロシティが上がらない場合は目標調整を行うことがある」

品質が維持しにくい。

岡部「アジャイル開発での品質保証するために実践していることは?」
宮崎「顧客と相談は必要であるが、一定のスプリントを経たら、地盤固めするためのスプリントを設けることがあります。一定のスプリントで機能追加した内容を振り返り、ドキュメントの整備や非機能要件のテストを行えるのとよい」
澁川「機能開発を優先したい顧客が納得いただくのは難しい場面もあるが、ひとつのスプリントを地盤固めに専念できる環境が作れると品質保証に専念できてよい」

登壇した感想

ディスカッションする中で、WF開発とアジャイル開発を比較することで、各々の開発手法の向き・不向きを再認識できてよかったです。

プロジェクト特性を鑑みた上でより効果的な開発手法を選定する、言われたものを作るだけシステム開発するだけではなく、顧客を巻き込みよりよいシステムを作るというスタンスがITコンサルタントの醍醐味のひとつだと改めて感じました。パネルディスカッションも初めての試みながら、アンケート結果は概ね良好でした。今後のFuture Tech Nightの採用を考えてみたいと思います。

改めてご参加いただい方はありがとうございました。なにか学びを得る機会になっていれば幸いです。

次回のイベント情報はconnpassで確認できます。
ぜひ遊びに来てください。