フューチャー技術ブログ

PLを始める前に読んでおきたい本

purpose-driven.jpg

はじめに

はじめまして、2023年1月にフューチャーへキャリア入社した水野です。私はこれまでメーカー→SIer→ITコンサルというキャリアを歩んできており、PLの経験もそれなりに積んできましたが、新たな職場でコンサルとしての道を進み始めたこともあり、初心に戻り一から勉強してみようと考えて手に取った一冊がこの本でした。

普段、特にPLの方が無意識にやってることを整理して言語化してくれてる本なので、これからPLとして歩みたいと考えてる方には是非読んで欲しい1冊ですし、PL経験が豊富な方でも読むことで自身の頭の中を整理でき、普段の業務への取り組む姿勢を見直す機会をくれる本になるかもしれません。

今回紹介させて頂く本は、『目的ドリブンの思考法』という本です。

書籍の要約と感想

VUCA時代だからこそ大切なこと

これまでの時代は、過去の実績から将来こうなるだろうと予想を立て目的を設定する方式(バックミラー方式)で業務が上手く回っていたが、先行きが読めないVUCA時代では、過去の延長線上に未来はないと記載されています。
過去から未来を予測するのではなく、自ら未来を創っていくことが大切だと記載されています。フューチャーのカルチャーとしても「無いものはつくる」という思想を大切にしているので、まさにこの考え方と一致しているなぁと感じました。

3層ピラミッド構造(目的・目標・手段)の重要性

目的・目標はその組織の道しるべとなります。目的・目標・手段が一貫しているかどうかが肝で、これらの繋がりが密であれば、より少ない労力で成果を出すことができるし、これらの繋がりが疎であれば、どこへ向かっているかが分からなくなり、暗雲に走り回ることを強いられ、最悪のケースは目的達成できないことになります。
また目的・目標・手段が一貫していれば、優先度の設定も容易になると記載されています。目的や目標に対してインパクトがある手段は優先度を高く設定してこなす必要が有りますし、目的・目標に対する影響度が低い手段は、優先すべきことではないことを意味します。

言われてみれば当たり前のことかもしれませんが、これらを意識的に目的・目標・手段に落とし込めるかどうかであらゆる仕事の局面で「選択と集中」ができるようになり、知的生産性高く業務遂行できるかどうかが決まると感じました。

組織と同様に目的も階層化構造をつくることが重要

「ビジネスの目的は”階層構造”をとる。なぜなら階層化された組織が一つの大きな”問題解決機構”そのものであるからだ。このことは、組織の本質としてリーダーが理解しておくべき大切なこと」

各部署やロールは何かしらの目的を持っていて、それらは組織全体の上位目的へと繋がっているという考え方です。
本書籍では、上位~下位までの一貫性を担保することに注力すべしというメッセージが込められています。これが意識できていないと、前述したとおり効率の悪い進め方になってしまいますし、最悪のケースは無駄な作業をすることになるからです。

問題とはAsIs(現状)とToBe(目標)のギャップ

ITコンサルをやっていると、よく耳にする「まずはAsIsとToBeから決めましょう」というセリフ、皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

AsIs(現状)とToBe(目標)が設定されていないと、現時点がどこなのかを測ることもできないですし、目標が無ければ問題にも気づくことが出来ません。AsIsとToBeは、PJを遂行する上での一つの「ものさし」として役に立つので、目的・目標・手段の3層ピラミッドを定義する段階で一度、AsIsとToBeも並行して定義しておくと良いと思います。

さいごに

本書籍は、各項目に対して事例をもとに根拠立てて説明されており個人的にはどれも腹落ちする内容でした。
紹介しきれませんでしたが、書籍では目的・目標・手段の設定方法やその際に意識するポイント等も紹介されています。
全てをここで説明するのは難しいので、興味のある方は是非一度読んでみると良いと思います。
この書籍が伝えてる重要なメッセージとしては、これです。

「上位と下位で一貫性を意識して目的・目標・手段を設定し業務遂行すること」

トップダウンで業務の方針や指示があった場合には、それを鵜呑みにして進めるのではなく、一度立ち止まり、上位と下位との一貫性があるかどうかを考えることが重要だと考えます。

今回この本を読んでみて、インプットしただけでは身にならないと思い、この書籍から吸収したことを活かして組織の目的・目標・手段を整理した上で優先度を設定して横串チーム内での計画を立て、上長へ提案しながら進めている所です。

ぜひみなさんも、インプットで満足せず、業務で活用してみましょう。

「知識」で終わらせるではなく、「知恵」として身に着けていくことが重要です。