フューチャー技術ブログ

【合格体験記】(ドローン)二等無人航空機操縦士の振り返り

こんにちは。公共サービス事業部の村上一彦です。2020年フューチャーに中途入社し、これまで金融業・公共業にわたりシステム開発に従事してきました。

そんな私が、無人航空機操縦士試験(二等)に合格するまでの体験記をご紹介します。

↓著者の相棒 DJI社製 Mini3
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1. 無人航空機操縦士試験(二等)とは

無人航空機操縦士試験(二等)とは、ドローン等(無人航空機)に関する唯一の国家資格になります。

2022年12月5日から技能証明制度が施行されており、ドローン等を飛行させるのに必要な技能(知識及び能力)を有することを証明する資格制度です。

資格の取得には、以下の3つの試験をクリアする必要があります。

仮免試験がない車の免許をイメージして頂くと近いと思います。

  • 学科試験
  • 実地試験
  • 身体検査

また資格には、以下の限定(車で言うとAT限定のようなもの)があり、限定解除する場合は、通常の資格に追加して講習や試験が必要になります。

無人航空機の種類(機体の種類)
回転翼航空機(マルチローター)
回転翼航空機(ヘリコプター)
飛行機(固定翼)
無人航空機の種類(機体の重量)
上記の機体の種類それぞれに対して最大離陸重量25kg未満
飛行の方法
目視内飛行(モニターを見ず、機体を目視しながら飛行させること)
昼間飛行

著者は、回転翼航空機(マルチローター)で資格を取得し、他の限定解除は行っておりません。

2. 無人航空機操縦士のメリットと有用性

この資格は以下のメリットがあります。

  1. 認証済みの機体と合わせて申請することで、(ルールの範囲内で)自由に飛ばすことができる。
  2. 国土交通省への飛行許可申請の際に、一部手続きを省略できる。
  3. 建設業等で入札条件に含まれている。

著者も飛行許可申請を出していますが、実際に手続きを一部省略して申請しています。

しかしドローンを取り巻く環境は、まだ成長途中です。国家資格を利用して、(ルールの範囲内で)自由に飛ばすことができるようになるには、以下の2つをクリアすることが必要です。

  • 操縦者技能証明(無人航空機操縦士の資格)
  • 型式認証済みの機体 or 機体認証済みの機体

現在、個人で買えるような価格帯で、型式認証をクリアしている機体が少なく、この資格が効力を発揮できない状況となっております。

今後、メーカーが基準を満たす機体を幅広く製造してくれることを願っています。

※なお、上記認証済みでない機体でも、国土交通省への飛行許可申請を実施すれば、(ルールの範囲内で)ドローン自体は飛ばせます。

著者がドローンに興味を持った経緯として、物流を担うシステムを担当したことがきっかけとなっています。物流業界は2024年問題をはじめ、あらゆる課題がある業界です。そして、ドローンはその解決策の1つであると同時に、複雑な法制度や制約に縛られているということを知り、自分で勉強してその壁を超えたいと思うようになりました。ちょうど国家資格が始まったこともあり、国家資格を取りながら体系的に学びたいと思い、今回チャレンジすることにしました。

3. 資格取得までの道のり

資格取得までの道のりは、以下の通りです。全体で2か月程かかりました。

資格取得フロー.png

こちらの順で詳細を紹介させて頂きます。

  1. ドローンスクールに入会
  2. 学科試験の講習→受験
  3. 実地試験の講習→受験
  4. 身体検査
  5. 証明書交付

1.ドローンスクールに入会

まずは、無人航空機操縦士試験に対応しているドローンスクールを選びました。

著者は、株式会社モビリティテクノのドローンマスターズスクール(通称DMS)を選びました。

公式サイト:https://drone-school.mobility-techno.jp

選んだ理由は、「都内にある」「価格が安い」「練習場が利用できる」という理由でした。当時の基準で選んでいるため、選ぶ際は最新の情報で確認をお願いします。2023年12月22日時点では、二等資格の初学者コースは25万円(税込)に設定されておりました。

2.学科試験の講習→受験

スクールに入校後は、e-learningで学科試験の勉強が始まります。

全体で約8時間+確認テストの内容になっています。

  1. はじめに
  2. 無人航空機操縦者の心得
  3. 無人航空機に関する規則
  4. 無人航空機のシステム
  5. 無人航空機の操縦者及び運航体制
  6. 運行上のリスク管理

受験はテストセンターで受験しました。

無事、一発合格できました。

3.実地試験の講習→受験

実地試験は以下のようなスケジュールです。

日数 時間 内容
1日目 10:00~16:30 机上試験対策+実技対策
2日目 10:00~16:30 机上試験対策+実技対策
3日目 約1時間 実地試験

1,2日目は東京足立校で実施し、3日目の試験は埼玉浦和校で実施しました。

実施講習の中で、操縦時間が目一杯あるわけではなく、技能に不安を感じていたので、モバイルアプリで300円ほど課金して、練習もしました。

実地試験では、満点合格で試験管の人に技能を褒めて頂けました。

試験会場の様子はこちらです。

4.身体検査

著者は、普通自動車運転免許を持っていたため、システム上の手続きで完了しました。

検査内容は、以下のように定められています。

https://ua-remote-pilot-exam.com/

身体検査は、①有効な公的証明書の提出、②-1医療機関の診断書の提出(一等25㎏未満限定及び二等)、②-2医療機関の診断書の提出(一等25kg以上)、③指定試験機関の身体検査受検(一等25㎏未満限定及び二等)のいずれかの方法で受検ができます。

項目 身体検査基準
視力 視力が両眼で0.7以上、かつ、一眼でそれぞれ0.3以上であること、または一眼の視力が0.3に満たない者若しくは一眼が見えない者については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.7以上であること。
色覚 赤色、青色及び黄色の識別ができること。
聴力 後方2メートルの距離から発せられた通常の強さの会話の音声が正しく聞き取れること。
一般 (1)施行規則第236条の62第4項第1号または第2号にあげる身体の障害が無いこと。
(2)(1)に定めるもののほか、無人航空機の安全な飛行に必要な認知または操作のいずれかに係る能力を欠くこととなる四股又は体幹の障害があるが、法第132条の44の規定による条件を付すことにより、無人航空機の安全な飛行に支障を及ぼす恐れがないと認められること。

5.技能証明書交付

ここまでで、技能証明書交付までの要件が完了したため、システム上で発行手続きを行い、2週間ほどで手元に証明書が届きました。

4. ドローンを飛ばしてみて

ドローンの飛行には、国土交通省への飛行許可申請や、関係各所への許可取り等も行う必要があります。警察署に連絡したり、土木管理事務所に使用許可申請を提出したりすることもあります。

また、著者は新たにドローンを購入したため、機体登録、リモートID(車のナンバーのようなもの)の登録など、様々な手続きを行っています。

それらを完了させて、実際に撮影した写真はこちらになります(実際は映像ですがここでは静止画で紹介となります)。

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5.まとめ

ドローンを飛ばすのはとても楽しく、やってみたら多くの人がはまると思います。しかし、危険性も高く、法律も複雑です。何も理解しないまま飛行させると、知らぬ間に違法な飛行として、警察のお世話になる可能性や、重大な事故に発展する可能性もあります。

そのため、しっかり勉強したうえで取り組む必要があると思います。また、ドローンを飛ばしているだけではなかなか価値が生まれませんが、武器の1つになると思っています。これからも、楽しみながら、よりよいドローンの活用を考え実践していきたいと思います。