フューチャー技術ブログ

ドイツで開催された国際物流展示会「LogiMAT2024」を視察してきました!~その1~

はじめに

物流サービス事業部の引網康暁です。ドイツのシュツットガルトで3月に開催された国際物流展示会「LogiMAT2024」を視察しました! 3回のシリーズで現地での模様と注目のソリューションについてレポートします。

GPTempDownload.JPG ▲広大な展示ホール、、、全部で10ホールもありました。

LogiMAT2024とは

LogiMAT2024は、ヨーロッパを代表する物流ロボット・マテハン機器の国際展示会です。

物流自動化のグローバルな流れを受けて、従来からの物流機器に加えて、最新のテクノロジーやAI関連の展示も活発になっています。日本では、フューチャーアーキテクトも出展している国際物流総合展が有名ですが、その約2倍の広大な展示面積に1600を超える多くの出展がありました。さながら、物流ロボットやマテハン機器のお祭りといった感じです。

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Logimat DAILYという公式メディアから取材を受け、小林さんのインタビューが記事(5ページ目!)にも取り上げられました!

全体感として、物流業界が直面しているリアルな課題解決に向き合っている展示が多かった印象です。

前週にアメリカ・アトランタで開催された国際物流展示会「MODEX2024」では、未来志向のヒューマノイド型物流ロボットが展示されていたようですが、LogiMAT2024では自動フォークリフト自動ハンドフォークリフトなど、業界の人手不足に対応した、より地に足の着いたソリューションを多く見かけました。

それから、中国の物流ロボット企業のブースは人だかりとなっており、物流自動化マーケットでの中国企業の隆盛をあらためて強く感じました。また、中国企業と欧米企業が資本提携を含むアライアンスを形成している事例もあり、物流ロボットのフルラインアップ戦略が加速していることも実感しました。

注目のソリューション

それでは、LogiMAT2024のBest Product(最優秀賞)の中から、注目のソリューションを解説します!

Brightpick社のAutopicker

Brightpick社は3Dビジョンをルーツとした物流ロボットを開発している企業です。同社が開発したAutopickerは、ACR(Autonomous Case-handling Robot : 自律走行ケースハンドリングロボット)とアーム型ロボットが一体となった、まさにハイブリッド型物流ロボットです。

ロボットの右側は商品を格納するコンテナをピックアップします。ピックアップしたコンテナに格納されている商品を3Dビジョンで画像認識し、アーム型ロボットがその商品をロボットの左側に置かれたコンテナへ移動します。フロアーを自由に移動しながら、一連のピッキング作業を滞りなく進めることができるため、効率的なピッキングと高いスループットが期待できます。画像認識できる商品のSKU(Stock keeping Unit)を増やすことが課題のようです。

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▲Brightpick社のAutopicker

LogiMAT2024の他の展示を見ましても、物流ロボットの特化した機能同士が融合することで、汎化した機能がより高まっていくトレンドを確認できました。例えば、Quicktron社のQuickBinも、保管棚への入出庫を担う「親機」と、フロアー上の搬送を担う「子機」がハイブリッドに融合したシステムと言えます。

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▲Quicktron社のQuickBin

さいごに

今回のブログではLogiMAT2024~その1~をレポートしました。

前職でドイツ駐在員をしていた経験がありますので、第二の故郷への久しぶりの帰郷でした。ヨーロッパでは、さまざまな国籍や民族の方が、国境や言語の壁を越えて働いています。そのため、業務標準化・規格化・効率化が、日本以上に当たり前になっています。物流自動化の展示を通じて、その一端を今回のLogiMAT2024でも再確認できました。

フューチャーアーキテクト物流サービス事業部では、おかげさまで物流自動化のコンサルティングのご相談をいただく機会も増えていますので、物流テクノロジーのリサーチ機能にますます磨きをかけていきます!

5月29日(水)に、LogiMAT2024の視察レポートウェビナーを開催しました! このブログではお伝えきれなかったコンテンツも発信し、物流DXについて熱く語りました。

https://www.future.co.jp/futureinsightseminar/20240529/

全体写真.jpg ▲今回の視察に参加したメンバー(左から、石川さん、小林さん、引網)。

~その2~に続きます!