秋のブログ週間2024 2本目の記事です。
はじめに
製造・エネルギー事業部の高瀬 陸です。
私は、あるプロジェクトで10数名のフリーランスエンジニアの方々と一緒に働いています。
ご一緒した期間はまだ数か月ですが、この間に学んだことをシェアしたいと思います。まだまだ模索中です。
フリーランスエンジニアと働く機会の増加
近年、システム開発におけるフリーランス活用という選択肢は広まってきています。ITエンジニアエージェント、レバテック株式会社の調査によると、ITフリーランス案件発生数は右肩上がりで推移しており、2024年6月には前年同月比146%で過去最高とのことです。
企業はITリソースの不足や技術力の多様化に対応する必要があります。そんな中、プロジェクト単位での柔軟な契約や即戦力としての活躍が期待できるフリーランスエンジニアの方々は非常に強力な味方です。
「もしかしたら、自分もフリーランスエンジニアと一緒に働く機会があるかも」と思った方はぜひ私の学びを参考にしてみてください。
フリーランスエンジニアの方と気持ちよく働くために意識していること
結論、コミュニケーションの頻度を増やし、新しい意見を積極的に吸収する姿勢が大事ではないかと考えています。
- タイミング VS 頻度
- 即レスにこだわらない
- 大事な連絡は繰り返す
- いつでも相談MTGを設定できる仕組みを用意する
- 温故 VS 知新
- 使っている言葉の定義を見直す
- 良い仕組みを教えてもらう
- メンター制度をつくる
タイミング VS 頻度
コミュニケーションはタイミングより、その頻度を重視しています。
ビジネスにおいてコミュニケーションのタイミングが重要視される場面は多いです。例えば、フィードバックのタイミングは、できる限りリアルタイムが望ましいと言われています。同僚のスケジュールを見て相談するタイミングを計っている方もいるかもしれません。
しかし、フリーランスの方々は働く時間が人によって違います。日中は本業をしていて稼働していなかったり、海外にいて私たちが寝ている間に働いていたりするかもしれません。
即レスにこだわらない
私がまず戸惑ったことがチャットの来るタイミングです。前述のとおりみなさん働く時間が異なるので、深夜や土日にも容赦なく通知が届きます。
私は周りから信頼を得るための手っ取り早い方法として即レスを普段から意識していたので、通知を貯めておくのが気持ち悪く、ついつい反応してしまいそうになりました。
しかし、気持ちをぐっと抑え、タスク管理の方法を見直すことにしました。今では月曜日の朝イチに、溜まったチャット通知を見てワークプランを練る時間を設けています。
大事な連絡は繰り返す
また、働く時間が人によって異なるので、全体周知が伝わりにくいという課題もあります。
例えば週の2,3日だけ私と同じプロジェクトで働いていて、残りの日は別の仕事をしている人は、Slackなどのチャットツールで全体向けの連絡をしても他の話題に埋もれて見逃してしまうかもしれません。
大事な連絡はドキュメント化してストック情報として残しておくのはもちろんですが、MTGの機会がある度に「そういえばこれって伝わってます?」と聞いてみたり、1週間、1ヶ月後に再度アナウンスしてみたり、情報に触れることができる機会を意識して増やすようにしています。
いつでも相談MTGを設定できる仕組みを用意する
フリーランスの方々の柔軟なワークスタイルに対応するためには、アジャイル開発におけるデイリースクラムのような複数人での定期的な会議体を開催することが難しいです。
テキストでのコミュニケーションだけになってしまうと、小さな困りごとや状況認識のズレ、コンフリクトに気づきずらいという課題がありました。
そこで、私はGoogleカレンダーの予約スケジュール機能を使って、私のカレンダーの空き時間にいつでもMTGを設定できるURLをフリーランスの方々と共有しています。
タスクに対する相談から、働き方に対する要望、雑談まで自由な目的で設定してもらっています。もちろん、私からMTGをお願いすることもあります。
また、フリーランスの方々のやりたいことや興味を把握しておくことで、これからも一緒に働きたいと思ってもらえるように依頼タスクの内容が調整できるようになるというメリットもあります。
以上がコミュニケーションで気をつけている、頻度を増やすということです。
温故 VS 知新
今のプロジェクトではチケット駆動開発を採用しています。細かい仕組みやルールは積極的にフリーランスの方々の意見をヒアリングして取り入れることを意識し始めました。
使っている言葉の定義を見直す
言葉の定義がフリーランスの方々と違うことで認識の齟齬からコンフリクトが生じました。実際に齟齬が起きた言葉ではありませんが、例えば「PM」という言葉をとってみても、人によって役割や責任範囲の認識が違うのではないでしょうか?
フリーランスの方々は別の会社のプロジェクトを兼務していることがあります。そのため、同じ言葉でも別の定義で使われているという事象が発生します。
細かいことですが、フリーランスの方々が参加していないMTGでも「○○ってどう意味で使ってますか?」など言葉の定義を明らかにすることを意識するようにしています。
良い仕組みを教えてもらう
これまでフリーランスとして他のプロジェクトで働いてきた経験がある方もいらっしゃるので、今のプロジェクトの改善点をストレートに聞いてみることもあります。後述するメンター制度もその一つです。
もちろん、そのまま流用するのではなく、今のプロジェクトの状況を踏まえて長期的な目線で全体最適を考え採用していきます。
メンター制度をつくる
メンター制度とはフリーランスの方々同士で技術的な支援を行う制度です。私から「今月から新規参画する方がいるのでフォローしてくれる方を募集します」とメンターを担ってくれる方を募集することもあります。
オフィシャルに相談できる仕組みがあると、心理的な障壁が下がるという声をいただいたことから始まりました。
さいごに
いかがでしょうか。私がフリーランスの方々と働きながら新たに気づいたことや学びを「心得」としてまとめてみました。
柔軟な働き方を尊重しつつも、プロジェクトを円滑に進めるためには、互いのワークスタイルや価値観を理解し、コミュニケーションを工夫することが欠かせません。
まだ試行錯誤の段階ですが、こうした取り組みが少しでも皆さんの参考になれば幸いです。フリーランスの方々とともに、よりよいチームワークを築き、これからのプロジェクト成功に向けて一歩ずつ進んでいきたいと考えています。