はじめに
ビジネスコンサルティングGの鈴木です。
2024年11月3日~4日に開催された見積りソンにおいて最優秀賞を受賞しましたので、参加レポートを報告します。
見積りソンとは?
- 仮想のRFPに対する見積り及び提案をチーム対抗で行うコンペティション
- 規模の見積りにはファンクションポイントを使用
- 今回が第1回目の開催(主催はMCIS(ITシステム可視化協議会))
ファンクションポイントとは?
ファンクションポイントとは、アレン・J・アルブレヒト(A.J.Albrecht)が1979年に考案したソフトウェア機能規模を計測する尺度
- 機能に関する論理仕様・外部仕様を点数化、機能要件のみを点数化し非機能要件は点数化しない
- システムの外形上機能から規模計測するのが特長、実装技術に依存しない
- ファンクション数を集計し、複雑度(低~高)に応じて計数を乗算し算出、開発当事者でなくても測定できる
今回のコンペでは、ファンクションポイントの代表的な測定方法のうち「SimpleFP法」を使った見積りを実施しています。「IFPUG法」よりも少ない情報量で精度を保ちつつ規模算出することが特徴で、今回のRFPのようなプロジェクトの初期段階において早期に見積ることが可能です。
測定方法 | ファンクション抽出 | 種別識別 | 複雑度評価 |
---|---|---|---|
IFPUG法 | 実施 | 実施 | 実施 |
SimpleFP法 | 実施 | 省略 | 省略 |
私自身、ファンクションポイントについてはフューチャーとMCISで正しく学びました。それまでは現場で都合よく解釈され「ウチはこうだから」と言われたことを鵜呑みにし「分かっている」と勘違いしている状態でした。正しく学びたい方は、ぜひMCISへ問合せください。
見積りソン -Day1-
2日間の日程で開催されましたが、説明やチーム発表などの時間を除くと作業時間は合計で6時間ほどでした。
RFPの読み込み
まずは、課題のRFPの読み込みから着手しました。概要は分かるもののRFPの記載内容は粗く、読み込むのに意外と時間がかかりました。ファンクション数として数える機能の粒度は、チーム内で議論しながら進めました。(試験ではないので、ネットで調べながら作業することは可能でした)
見積りと提案書作成
機能を洗い出した後は、SimpleFP法による規模の見積りを行いました。SimpleFP法から標準開発工数を導き、開発工程別の工数の導出(時間がない中で、このあたりは回答フォーマット上で自動計算だったので助かりました)や、自チームの提案の売りポイントなどを含め提案書を作成しました。プレゼンをしなければならないため提案書の完成を優先しましたが、時間が許せば見積りや提案内容の精度をもっと高めたい気持ちもありました。
夜は懇親会
1日目の夜は参加メンバーでBBQをしました。BBQが終わってからも、IT業界の未来について夜遅くまで語ったり、会社や世代の垣根を越えて交流を楽しむことができました。詳しくはこちら
見積りソン -Day2-
2日目は朝から提案書のブラッシュアップとプレゼン準備をしていると、あっという間にチーム発表の時間になりました。
プレゼン
プレゼンでは「私のチームはこうなりました」という発表ではなく、疑似的でも顧客向けの提案となるので、私自身やチームメンバーがシステム開発で経験してきた「苦い思い出」や「肌感や嗅覚」をミソに提案を行いました。ファンクションポイントによる見積り精度もさることながら、提案における工夫箇所が他チームと差別化できたと考えています。限られた時間の中で、チームとしては最善を尽くせたと思います。
結果発表
全4チームが参加する中で、フューチャーアーキテクトチームが「最優秀賞」を受賞しました。受賞理由としては…
- SimpleFP法を使った見積りができていること
- 工期短縮への工夫と妥当性、及び短縮することへのリスク対策
- RFPから読み取った顧客事情(要件定義力が弱いなど)への提案
…といった内容を総合的に評価頂きました。
さいごに
「ファンクションポイント」は聞いたことがある人というは多いと思います。興味があったり実践を積む機会がほしいと感じている人は、ぜひ次回の見積りソンへご参加ください!