
はじめに
こんにちは、2025年4月 新卒入社、Cyber Security Innovation Group (CSIG) 所属の星名 藍乃介(HOSHINA Rannosuke)です。
技術評論社様(以下敬称略)の Software Design 2025年8月号 特別企画「2038年問題を考える」に寄稿する機会をいただきました。
Software Design 2025年8月号は 2025年7月17日発売ですので、ぜひご覧いただければ幸いです。
今回は、「2038年問題を考える」コラムに寄稿させていただいたことへの思いと、入社4か月目というフレッシュな視点から執筆活動に対する思いについてお伝えできたらと思います。
Software Design とは
「Software Design」は、技術評論社が発行している、プログラミングやOS、Web技術など、ソフトウェア開発全般に関する情報を提供する月刊誌です。
プログラミングの具体的なテクニックから、OS、Web技術、データベース、ネットワーク、セキュリティといった幅広いITの基礎知識、さらには最新の開発手法やチームマネジメントに至るまで、多岐にわたるテーマを深く掘り下げて解説しています。
単なる情報の羅列ではなく、実際に現場で役立つ実践的なノウハウや、技術の背景にある設計思想、考え方に焦点を当てているのが大きな特徴です。
Software Design「2038年問題を考える」寄稿に対する思い
今回、Software Designという多くの方に愛読されている雑誌で2038年問題についてお伝えする機会をいただき、大変光栄に思っています。
このテーマは、私が大学時代から関心を持ち、その脅威を広く知ってもらいたいと活動を続けてきたものです。
2038年問題とは
2038年問題は、UNIXやC言語に関わるシステムにおいて2038年のある時刻以降の時刻を表現できなくなり、その結果として様々な不具合が生じうる問題です。
コラムでも一部の脅威性評価の結果に言及していますが、影響範囲はいまだ不明瞭な部分が多く、社会全体で協力して解決に取り組むべき重要な課題だと考えています。
寄稿の経緯
私はこの問題の深刻さを以前から認識しており、大学院当時から情報処理学会論文誌への投稿、カンファレンスや勉強会での登壇活動を通して、その脅威性の周知に努めてきました。
そして、こうした活動を続けてきた中で、大学院時代の担当教員である 上原哲太郎 先生から「Software Designで2038年問題について書いてみないか」とお声がけいただきました。上原先生との共著という形で、長年の思いが実を結び今回の執筆に至ったことを、大変嬉しく感じています。
寄稿内容
記事では、UNIX timeが広く普及した歴史的経緯、それゆえの影響範囲の広さ、それによる2038年問題対応の困難さ、C言語における影響と64bit化対応といったトピックをご紹介しています。
組み込み開発に携わるエンジニアの方々はもちろん、ソフトウェア開発に関わるすべての方にとって、問題の理解と今後の対策の一助となれば幸いです。
ぜひ手に取ってご覧ください。
業界貢献に対する思い
ここからは、私個人として業界貢献にどのような思いを抱いているのか、そして入社4ヶ月目の今、それをどのように育んでいきたいかをお話しできればと思います。
私は就職活動中、「会社に属してもソフトウェア業界全体と良い関係を築き、エンジニアリングが面白くあり続けてほしい」 という思いがありました。
フューチャーの多くの社員が執筆活動、OSS貢献、ガイドライン公開などに積極的に取り組んでいることを知り、私自身の目指す方向性と合致すると感じました。
私がフューチャーに入社して感じたのは、 社会全体のIT基盤を支えることが、ひいては自社の事業成長にも繋がるという考えから、多くの社員が業界貢献を重視している 傾向があるということです。
例えば、技術書や技術雑誌への執筆・翻訳活動を通じて、多くの社員がその知見を広く社会に発信しています。
今回の Software Designへの寄稿 もその一例ですし、過去には『Real World HTTP』や『実用 Go 言語』、『Webフロントエンド E2E テスト』といった書籍の執筆・翻訳にも携わっています。
また、社内で培った設計のノウハウをまとめたアーキテクチャ設計ガイドラインのように、自社の知見を外部へ公開し、広く役立ててもらう取り組みも行われています。
さらに、Vuls や Vue.jsといった、多くの開発者が利用するオープンソースプロジェクトへ積極的に貢献しているコントリビューターも数多くいます。
私個人としても、日々の開発で利用させてもらっている多くのOSSや書籍といった共有資産に、自分も何か貢献できたらという思い があります。
会社がこうした活動を推奨し支援してくれることで、業界全体の成長とフューチャー自身の事業発展という好循環が生まれていると実感しています。
当面は、今回のような技術誌への寄稿や社内での知見共有を通じて、学んだことを着実に発信していきたいです。
そしてこれから経験を積んでいく中で、カンファレンスでの登壇やOSSプロジェクトへの貢献といったことにも、いずれは挑戦できるよう、一歩ずつ成長していければと考えています。
自身の専門性を高めながら、微力ながらも業界の発展に貢献できるエンジニアになれたら嬉しいです。
2025年 8月号のみどころ個人的推し
『Software Design 2025年8月号』は、私が寄稿させていただいた「2038年問題」の特別企画以外にも、個人的に心惹かれる記事が盛りだくさんの号です。
特に注目したいのは、リファクタリングの適切な判断とビジネス価値に焦点を当てた特集です。この特集には、なんとミノ駆動さんや及川卓也さんをはじめとする著名なエンジニアの方々も寄稿されており、現場で培われた実践的な知見がたくさん詰まっています。
「2038年問題を考える」コラムはもちろんのこと、他の素晴らしい記事にも目を通していただけると嬉しいです。
おわりに
今回のSoftware Designへの寄稿は、入社4ヶ月目の私にとって非常に貴重な経験となりました。
学生時代からの「2038年問題」への取り組みが、このような形で世の中に発信する機会に繋がったこと、そして日頃から憧れていた執筆活動をスタートできたことを、心から嬉しく思っています。
この貴重な機会を与えてくださった技術評論社様には、深く感謝申し上げます。
今後もこの経験を糧に、精進してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。