はじめに
初めまして。入社1年目、製造・エネルギー事業部の三谷 昭徳です。
2025年9月17日(水)~ 19日(金)に東京ビッグサイトで開催されたINCHEM TOKYO 2025のDAY1に参加してきました!
当日の様子や注目されていた技術などをレポートしたいと思います!
イベント概要
INCHEM TOKYO 2025は化学に関わる企業・⼈が集い、相互に関係性を引き出し、交流と協力でビジネスの可能性を広げる、化学装置/生産プロセス/エンジニアリングの総合展示会で、出展は300社・団体/621ブースに及びます。
- テーマ:持続可能な未来への競争イノベーション、科学技術によるサステナブルな社会の実現を目指して
- 特徴:専門性を網羅した11の展示ゾーン、業界の第一線を走る企業や学術者による3日間で計100テーマにおよぶ講演&セミナーの開催
▼専門性を網羅した11の展示ゾーン
▼講演&セミナーの様子
会場の様子
- 各ブースで様々な交流がされていました
- 講演会はどの講演もほぼ満員で多岐にわたる業種の人が集まっていました
- お笑い芸人による会社・技術紹介などユニークな企画をしているブースもありました
展示会で注目されていた2つの問題
展示会を回る中で、化学業界では特に次の2つの問題が注目されていると感じました。
1.カーボンニュートラル
- 概要
- カーボンニュートラルは、温室効果ガスの排出と吸収を均衡させ、実質排出量をゼロにする国際目標です
- これは、深刻化する地球温暖化を抑制し、持続可能で新たな成長を生む経済社会を実現するための、人類にとって不可欠な最優先戦略であり、世界中で注目されています
- 注目されていた技術:CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)
- CCUSとは、二酸化炭素を回収・貯蓄するCCS(Carbon dioxide Capture and Storage)という技術に加え,二酸化炭素を回収した上で有効利用する技術を指します
- 技術例:ゼオライト膜(産総研)
- 分子サイズの小さな穴を持つ結晶で、ふるいのように使い二酸化炭素を分離できる
- 低エネルギーで二酸化炭素の分離回収が可能
▼ゼオライト膜
出典:https://www.aist-solutions.co.jp/case_study/page000160.html
展示会のテーマにもあるように、サステナブルな社会の実現のためにもカーボンニュートラルは特に注目されていました。私自身二酸化炭素を回収・貯蓄する技術があるのは知っていましたが、最近では有効利用まで目を向けられていることに技術の進歩と業界の方々の熱意が伝わってきました。有効利用される二酸化炭素は炭酸飲料などの身近な製品などにも応用されるようなので、今後はそのような製品に目を配りながら少しでもサステナブルな社会の実現に貢献していきたいと感じました。
2.人手不足・属人化
- 概要
- 製造業の9割が「人員不足が原因で発生する課題」を感じています
- 熟練者の不足や退職によるリスクもこの問題を加速させています
- 注目されていた技術:データ活用・DX
- 人手不足・属人化問題に対し、デジタルの力を用いて業務効率化・自動化や、質管理の精度向上などの実現を目指しています
- 技術例:電子操業日誌(TMEIC)
- 操業現場における運転管理、設備管理、工事管理の業務プロセスをデジタル化することで、業務の効率化に加えて、ナレッジ情報の収集、共有、活用ができ、プラント全体の安全・安定操業を推進できます
▼電子操業日誌
出典:https://www.tmeic.co.jp/product/dx/operation/support_plantlog/
様々な企業が人員不足・属人化に対して多様なツールや切り口で取り組んでいました。製造業の未来を考える上で、この潮流は避けて通れないものであり、今回の展示化はその現実を知る貴重な機会でした。今後さらに製造業では人員不足が加速していくと予想される中、ITコンサルタントとして働く私がITの力でどう貢献できるかという糸口を見つけるきっかけになったと思います。
さいごに
このイベントに参加したことで、化学業界の最前線のトレンドや注目されている技術を知ることができました。特に、製造・エネルギー事業部で働く自分にとって、現場の業務改革にITで何か貢献できるのではないかという実感が得られたというのは貴重な経験だったと思います。
展示会で得た多くの気づきを、今後の業務に活かしていきたいです。