リモートワーク連載の第2弾です。
もともと、お仕事的には2019年にはリモートではあったのですが(仕事のカウンターが海外で、自社に出社しても、客先の日本のオフィスに行っても、テレビ会議とチャットで仕事していた)、2020年の3月からは自宅で仕事をすることになり、いろいろ整備しました。もともと自宅には書斎がなく、自分の机などもなく、本を書いたりOSSのコードを書いたりはしていたのですが、リビングでやるぐらいでした。仕事環境を作るために、タンスがいっぱいあって、洗濯物を干したりといった用途で使われていた部屋の一角に環境を作りました。築20年ぐらいの一軒家で、購入後6年ぐらい住んでいます。
仕事スペースの間取りはこんな感じ。作業スペースは左端(窓側)です。右側は引き戸ですが、隙間があって防音性能は低いです。1階の子供達の声は聞こえてきます。
みなさん、それぞれこだわりの作業テーブルだったり、椅子だったり、モニターだったりがあると思うのですが、好みの問題とか体格によるマッチングもあるので、どれがいいかどうかは人それぞれかと思います。今日はマイクの話をします。
マイクの購入と設置
もともと、PCの内蔵マイクで会議をしたりはしていましたが、キーボードの音が入ったりとかが気になっていました。昨年、PyCon.jp 2020での発表のプロポーザルが通ったので、せっかくなので、発表者に聞きやすいように良いものを、ということで知人が買っていたAmazonで安く売っているマランツの888Mと、フリーハンドでマイクを口に近づけるためのマイクアームを購入しました。macではマイク付属のオーディオインタフェースがうまく動かないということで、Sound Blasterの安いインタフェースも買いました。Sound Blasterを冠する商品を買うのはBeOSプリインストールのぷらっとホームのショップブランドのPC(Celeron 300AMHz/メモリ64MB/HDD 6GB/ATi 3D Rage LT/SB AWE32あたり?)以来で22年ぶりですね。
マイクの指向性的には次のような感じの配置になっています。
音声出力はPCのスピーカー出力をそのまま使うので、PCに背を向ける方向で設置しました。キーボードの音も入りません。
家族がいる人や、夫婦でリモートワークをしている人は、環境音がどれだけ入るのかが気になると思うので、ちょっと実験してみました。meetで他の人につないで、どの程度聞こえるかの感想を聞きました。騒音源は10年もののダイソンDC26で、弱の強さで稼働させてみました。家電ソムリエによると、最近のダイソンは静からしいですが、こいつは景気の良い音を出します。
結果としては、どの条件でもネットワークの向こうの伊藤さんには問題なく聞こえていました。掃除機を動かしているこちら側では向こうの声がかき消されて聞けないレベルではありましたが。階下で子供が大騒ぎで全力で遊んでも、問題はないですし、廊下で子供が遊んでいてもテレビ会議では相手に迷惑をかけることはないな、ということは分かりました。
条件 | リモートでの感想 | ローカルでの感想 |
---|---|---|
ダイソンを廊下に置く&ドアを閉める | 聞こえない | うるさい |
ダイソンを廊下に置く&ドアを開ける | ホワイトノイズ | うるさくて仕事できないレベル |
ダイソンを室内(引き戸のそば)に置く | ホワイトノイズ | 子供の喧嘩を真横で聞いているレベル |
試しにスマホで音楽をマイクの後ろで流しても、「かすかに聞こえる」レベルとのことでした。PCマイク に切り替えてみると、バッチリ向こう側に聞こえていたらしいです。ここまで指向性があるのであれば、テレビ会議しながら発話者だけに音で伝えるのも可能そうではあります。これは勉強会などの発表をしつつ、発表者に対して音声で「あと5分」みたいな音声指示をマイクの裏で流すことは可能だったりしそうなので、うまく使えば、オンライン勉強会をよりスムーズに回せそうな気がします。
その後追試で音量を計測しました。Meet越しにiPhoneアプリのSonic Tools SVMで計測するみたいな簡単な計測方法です。Meetのアプリもノイズ抑制があったり、おそらくiPhoneアプリ側でも環境音を消すフィルターを持っているだろうな、みたいないろいろ変数がありすぎて評価が難しいところですが、ノイズ発生直後でもマイクで発話する声よりもだいぶ小さいノイズしか向こうには聞こえないということはお分りいただけると思います。その後の音量の下がり方はMeetが頑張って消しているんですかね。Meetすごい。
条件 | マイク | 音量 |
---|---|---|
無音(ノイズなし) | 外部マイク | 30dB |
会話(ノイズなし) | 外部マイク | 50dB |
室内でダイソン起動 | 外部マイク | (起動直後)35dB→30dB |
無音(ノイズなし) | mac内蔵マイク | 30dB |
会話(ノイズなし) | mac内蔵マイク | 50dB |
室内でダイソン起動 | mac内蔵マイク | (起動直後)55dB→28dB |
マイクを変えてから、テレビ会議中に子供が部屋に入ってきて喋っても他の人には気づかれることはいまのところないので、マイクのおかげで生活音が会議の相手には伝わりにくくなっていることの裏付けは取れたと思います。
とはいえ、この生活音の伝搬については、きちんとした知識のある人に追試してほしいところではありますが。この手の測定は難しいですね。単に送信元の音量レベルを計測すればいいかというと、実際にネットワーク越しに聞く人の感性に近い数値を出そうとすると、Meetを通してそのノイズキャンセル機能も含めて測定したいところでありますし。夏休みの自由研究ネタに良さそう。
その他の機材
今回買ったのはマイクとカメラ以外には、ディスプレイアーム、机とトラックボールぐらいですかね。
ディスプレイ
Dellの4Kです。24インチぐらいですかね。知人からもらったものです。その知人にはガステーブルをあげたのでブツブツ交換ですかね。今時のUSB-Cで1本で繋がったりと比べると古いモデルですし、4Kで30Hzですが、困ってません。ゲームとかしないので。
キーボード&トラックボール
Kinesis Freestyle 2です。姿勢は大事(Part 1, Part 2)なのでセパレートです。前職の時から使っていて、前のプロジェクトで客先に持ち込んだりもしていたのでだいぶ長い付き合いであす。だいぶタッチが悪くなってきたので買い替えを検討中。シルバー軸のKinesis Freestyle Edgeか、Mistel MD770 Baroccoか。トラックボールはケンジントンのスリムブレードです。ボールの大きさは正義。会社のロッカーには別のトラックボールもあったのですが、取りに行けなかったので。
サンワサプライのデスク
今回購入したのが、サンワサプライの折りたたみデスクです。最終的な仕事のスペースをどこにするか決めていなかったので移動がしやすいように折りたたみにして、家の他の場所に移動しやすいように奥行きの浅いデスクにしました。浅いスペースでもキーボードをおく場所が狭くならないように、エルゴトロンOEMと言われているAmazon Basicディスプレイアームでモニタを取り付けています。奥行き50cmでも狭くはないです。モニタの足部分が空くので、ケーブルの配線もしやすくなります。
ニトリのマルチ収納Lワイド(オールホワイト)がぴったりサイズ。あとは100円ショップで買ったスチールの網棚を天板の下に取り付けて電源ホルダーに(写真でちら見えしてますが)、本立てを取り付けてノートPCホルダーに。
アーロンチェア
知人が椅子の買い替えをするということで、2マン円ほどで買い取ったものです。今回のリモートワークの前からリビングで使っていました。
だいぶ弱ってきてはいますが、これのおかげで長時間座り続けても健康を維持できています。もし壊れたら握力王オススメのバランスチェアにしたいと思い早数年ですが、なかなか壊れないですね。子供達の椅子は全部バランスチェアにしています。
Google Nest mini
リモート会議を忘れないように、だいたい2分前に「オーケーグーグル、17:58にアラーム」みたいに言ってアラームを鳴らす専用機です。
EOS Kiss X90
これもPyCon.jpの発表時のビデオ品質をアップさせようとCostcoで売っているセットを買ってきたものです。EOS WebCam Utilityで接続して発表しました。画質は確かにはるかに良いのですが、長時間使うと熱でダウンする? まあ、もともとそういう用途ではないので仕方ない気がしますが、有識者によるとBetaが外れた正式版では30分制限があるとか。30分を超える動画撮影ができてしまうと輸出品目がカメラではなくビデオカメラになってしまって関税が変わってしまうので30分撮れない制限があるとかないといか、という噂も聞きました。Big SurとM1対応お待ちしているのですが、専用のウェブカメラの方が良いかもしれません。
それ以外
築20年だし、自宅のトイレx2がそこそこ古く、水量が多い古い機種だったのですよね。以前からトイレを新しくしたいという気持ちはありました。在宅というと自宅のトイレを使う回数も激増しますし、定額給付金が入金される前から、速攻で島忠に走って、トイレの改装をやりました。当時は中国からの流通が止まっていて選べる選択肢が少なかったので、店頭在庫でまずは1台改装し、在庫が復活したタイミングで、ちょっと良い機種を選んでもう1台のトイレも最新にしました。男女の人数非的に男性に偏りがちな職場が多かったからか、かつてどの職場でも、トイレの渋滞はいつもひどい感じでしたが、在宅ワークになって一番よかったのはトイレ待ちがない点ですね。
あとは、全然使っていない部屋でエアコンが壊れたままだったので、コジマで一番安いコロナのエアコンを導入しました。せっかくなので、今後は樹脂内窓のエコリフォームとかもやりたいと思っています。