フューチャー技術ブログ

ブラサカ活動報告~ストーンフリープロジェクト編~

はじめに

こんにちは。ブラサカチームの中井です。

スポーツ団体の事業をITで支援する取り組みにてブラインドサッカーチームでVRを駆使したフィットネスアプリを制作しました。活動・成果を報告します。

フューチャーのスポーツ団体の事業をITで支援する取り組みとは?

「スポーツの振興を目指しテクノロジーとアイデアでFuture Group発の価値を作る」という目的のもと、若手メンバーが中心となり主に以下4つの非営利有志活動を行っています。

  1. ブラインドサッカーVR体験
  2. 晴海選手村地区開発
  3. キッズ企画(アイデアソン・ハッカソン)
  4. ラグビー観戦

私たちブラインドサッカーチームは、(1)のブラインドサッカーVR体験を行っています。

主な活動として…

  • ブラインドサッカーを疑似体験できるアプリの開発・提供
  • ブラインドサッカーの認知度を上げるためのIT施策の検討・立案
  • 小学校に向けたスポ育事業

を行っています。

スポーツ団体の事業をITで支援する取り組みの過去の活動を以下記事で紹介しています。興味のある方はぜひご覧ください。

また、昨年は小学生向けのスポーツ教育の推進も行い、品川区立日野学園にて実施したブラインドサッカーの体験授業が、文部科学省「青少年の体験活動推進企業表彰」奨励賞を受賞しました!

このように日々活動領域を広げながら活動をしています。

ストーンフリープロジェクトの発足

2020年までは上述の通り盛んに活動していました。しかし、新型コロナウィルスの影響で今まで通り活動ができない状況。コロナ渦で何かできることはないか、VRを活かして状況を少しでも変えることができないか、チーム内で議論を重ねました。

「以前よりもジムに行きづらくなった」「リモートワークにより通勤が無くなり、運動不足となっている」という意見が多数でたことから、 VR×フィットネス というテーマでアプリを制作することにしました。


題して、『ストーンフリープロジェクト』。


このプロジェクトの行く末はどうなるのか、果たしてチームメンバーの運動不足は解消されるのでしょうか…。

(※ストーンフリーは『ジョジョの奇妙な冒険』第6部に出てくるスタンド名が由来となっています。第6部の刑務所から脱獄するストーリーから、コロナの困難な状況から脱出することを祈り、命名しました)。

VR×フィットネス

ブラサカチームの渡辺です。VRフィットネスの現状と、私たちのチームの『ストーンフリープロジェクト』での取り組みを紹介します。

VRフィットネスの現状

近年一般に普及したVRシステムが有する、ヘッドマウントディスプレイ:HMD(頭部)やコントローラー・トラッカー(手)の位置・姿勢計測を利用して、リズムゲームやスポーツなど体全体を動かすタイトルが多数リリースされています。その運動量の大きさから、VRゲームはしばしばフィットネス効果が注目され、さらにVRとゲームの親和性から、遊びながら体を動かせるという有効性を生み出しています。

Oculus Questでは、各タイトル毎に消費カロリーなどが可視化されるOculus Move 1がリリースされ、プラットフォームの開発も進んでいます。一方、主にトレーニングジムでの利用を意識して、本格的なフィットネスマシンと組み合わせたVRシステムも開発されています 2

ICAROSでは、4つん這いでマシンに乗り、体感トレーニングを行いながら鳥のように空を飛ぶ体験ができます。またVRボートトレーニングでは、ローイング(ボート漕ぎ運動)マシンを用いて、様々な環境でのボート漕ぎが体験できます。

これらのフィットネス器具を用いたシステムは、フィットネス効率向上だけでなく、ICAROSの乗り物(モーションプラットフォーム)による移動感覚提示や、ローイングマシンによるハプティック(力触覚)フィードバックといった、VR体験としての臨場感向上というメリットがあります。

しかし、大型マシンであるが故に設置面積が大きく、一般的に高価なため、家庭で楽しむハードルは高いと言わざるを得ません。また、ジムで使用されるフィットネスマシンは、特定のフィットネス用途に特化されており、これ1つで様々な種類の運動ができないという点で、汎用性の無さがデメリットであると考えられます。

ICAROSやVRボートトレーニングをしている人 ICAROS               VRボートトレーニング

VRTuber

そこで私たちのチームは、

  • 遊びながら、フィットネス効果を生み出す
  • 家庭でも、気軽に運動を楽しめる
  • フィットネス器具により、効率的でまた汎用的な運動を可能とする
  • フィットネス器具によるハプティックフィードバックなどを生かし、VRフィットネスゲームとしての体験をより楽しいものとする

…というポイントを満たすVR×フィットネスとして、 VRTuber(VR×Tube) の開発を行いました。

VR機器とフィットネスをしている人

チューブを用いたトレーニング方法は多岐にわたり、かつ安価で収納も容易です。今回はVRTuberの第一弾として、ローイングをトリガーにしたシューティングゲームの開発を行いました。

使用した機材はOculus Quest 3、手首に装着できるリストバンド付きチューブ 4です。チューブを装着しながらOculus Touch(コントローラー)を持てるようにすることで、Oculus Touchの位置計測を利用して、ユーザが行うローイングを検出します。

HMDに表示する映像はUnityで作成しました。弾を打つ方向はOculus Touchのスティックで変更可能で、ローイングにより放った弾によりボクセルアニマルを倒す事ができます。ユーザのHPや、ボクセルアニマルの出現頻度・速度といったパラメータは変更可能です。

ゲーム動作画像

このゲームを体験した主観的感想としては、ゲームとしてはそれなりに楽しめましたが、ローイングで弾を打つことについては、コントローラーのボタン同様ある種の約束事(例:×ボタンを押すと銃を打つ)の存在は拭えませんでした。

この点からも、チューブによるハプティックフィードバックを、Virtual Worldからの自然なフィードバックとして利用できているとは言い難いです。

今回はチューブトレーニングによる動きをトリガーにして、まずゲームを作ってみようということで作成しましたが、正しいコンテンツ選択と作りこみをすることで、チューブによるハプティックフィードバックも十分に生かし、よりリアルな体験が可能と考えています。

おわりに

このようにブラサカチームでは、2020年を過ぎた現在も活動を行っています。

少しでも私たちの活動を面白いと思っていただけた方は、お問い合わせTwitterにて、ぜひご連絡ください。

お待ちしています!!