フューチャー技術ブログ

技育祭2024春で「2064年もITで仕事し続けるためのキャリアプラン」というタイトルで発表してきました。

技育祭はサポーターズが実施している未来の「技」術者を「育」てる活動としている学生向けの「技育プロジェクト」の一大イベントです。僕自身も何度かかかわっているイベントで、先日開催された2024年3月17日に開催された「技育祭2024春」で登壇してきました。発表資料はこちらになります。

タイトルの2064年というのは、技育祭で一番ボリュームゾーンだと思われる20歳ぐらいの学部2年、3年の若者が60歳定年まで働くとしたら、という年ですね。AIでIT技術者がいらなくなる、みたいな話がよくされていますが、AI以前に優秀すぎる若者が周りにいっぱい増えてきて、ずっと前から危機感を感じていた40代のおっさんのキャリアプランをテーマに今回は講演を行いました。

私は今後AIの革新的発展によってプログラマーの人数が半分になるとしても、上から半分に入っていれば生き残れるだろうという打算のもと、技術力の向上や、プログラマーとしての市場価値を向上させていく、そしてそれを見える化する、というのが基本戦略としてやっています。今回の発表では時間もなかったので割愛しましたが書籍執筆もそのための一手です。本を書く、というのをここしばらくは年に2冊ぐらい継続しています。これに関する説明を一枠しゃべったときの、2021年の技育祭の資料も張っておきますね。

今回のイベントでは自分と聴講者層の大学生の年齢差が大きくなってきたということで、まさに技育祭でフューチャーを知って入ってくれた若手の大岩さんにもアシスタントとして参加してもらいました。親子といっても嘘じゃないぐらい年齢差があっても仲良く仕事しているというのも伝わればいいな、というのもちょっぴり思っていましたがいかがでしたでしょうか? 大岩さんとは、技術広報として、会社の魅力を外に伝えていくにはどうすればよいのか? という課外活動を一緒にやっています。

質疑応答

Q: IT職は人気なのに人手不足なのはどうしてでしょうか?

みんなIT力を高めてビジネスを強くしたいと思って、たくさん人が欲しいので、需要がすごく増えています。

Q: 早く一人前にならなければという危機感があるが一人前になるというのはどういうことか?

言われたことができる→自発的にできる→自分より若手をリードしつつできる→自分から道を切り開ける

というのが思っていることで、実際にフューチャーのランクアップ要件もこんな感じ。フューチャーは年功序列ではないので、これができている若者は年齢関係なくじゃんじゃんランクアップしていますね。

Q: ITコンサルは, 要件定義など人と関わる部分がメインで開発に携わることが少ないと考えているのですが, いかがですか?

会社にもよると思いますが、フューチャーは一次受けで、お客さんとグラウンドデザイン策定から要件定義、実装、運用まで一気通貫でやる会社なので、実装とかもよくやっています。

Q: 現状未経験の人がこれから勉強を始める場合まず何から始めるべきでしょうか?

フューチャーは大学時代にITをやっていなかった学生も新卒で入っています。新入社員研修をきちんと行ってその後エンジニアとして活躍している社員も多いです。キャリアパスは自分で選べるので、学んだ上でお客さんと話をするのをメインとして選ぶ人もいますが。

そういうきちんと鍛えてくれる会社に入るのが良いと思います。でも、どうすれば入れるか、各社がどのような人材を求めているかは各社ばらばらなので「こうすれば大丈夫!」という正解はちょっとわからないですね。

Q: 他の方が「泥臭くても、コツコツ、貪欲にやる」が良いという旨の話をよくしているのですが、渋川さんもそう思いますか?

そう思います。といっても、同じ仕事を10年やり続けるとかそういうのはいらないと思います。学生のうちは「こんなことしたい」とキラキラした仕事をやりたいと思うかもしれないですが、自分が想像もしていない仕事が上から降ってきたりします。でもそういう未知だったものこそ、自分が知らないものがたくさんあって実力を伸ばすチャンスにつながるかもしれない。あらかじめ見えていた目線というのは実はそこまで広くなかった、ということは十分にある。目の前に来た仕事にまずは全力で取り組んでみるというのは大切。

質疑応答の残りや拾ったコメント

ドメイン知識も若い人はすぐ追いつくと思う

ドメイン知識って教科書的に資料としてまとまっていたりはしないんですよね。お客さんもたくさんの部署に分かれていて、それぞれの領域で仕事をしている。それぞれの領域の中の「常識」をつなげていくと知識体系が現れる。あとは既存のシステムの中にソースコードとして書かれた知識もある。利用者はボタンを押す方法だけ知っているがコアの知識はコード解析しないとわからなかったり。今後はこういうシステム考古学がますます重要になってくるかと思います。

こういうたくさんの情報を引っ張って集める社会学的な活動を毎回やって初めて知識として取り出せるのですが、その知識の取り出し方、実際に取り出した知識(業界ごとではなく会社ごと、部署ごとに違ったりする)もあるので、学ぶのはだれがやっても大変かと思います。

自分の得た知識は自分のもの! 誰にも公開しない! でも他の人からは情報はもらう! って感じのエンジニアを学生の中に時々みるのですが、自分が長い時間を掛けて得た知識を本で共有するにあたってそのような考えにはならないのでしょうか?

それで知識を持っていても、外からはどれだけの情報を持っていることが分からないので、結果として本人の魅力アップにはなっていないと思います。あと、自分が手を動かして作業者として仕事するのよりも、回りを導いて組織として成功できる方が社会としては必要とされます。ICよりもマネージャー採用しにくい問題。

基幹システムって具体的にはどのようなものですか? イメージ湧かなくて・・・

その会社のビジネスの根幹をささえるシステムですね。小売りなら商品を管理して売り上げを集計するなど。

早いうちに一人前になるような人は外向性の高さやフットワークの軽さなどどのような特性がありますか?

どちらかというと、求められていることをきちんと把握してやりきるための段取り力ですかねぇ。もちろん、ステージやその時のプロジェクトの状況によって必要な能力とかあるとうれしい能力は変わってくると思いますが。

支援士のような資格がある人とCTF経験が豊富な人とではどちらの方が需要ありますか

セキュリティ系ですかね? セキュリティ系はかなりタレント性が強い仕事もあったりするので一般化はしにくいですね。元フューチャーで海外からオファーが来て転職していった若者もいましたし。フューチャーにもセキュリティ特化のグループ会社DITとかフューチャー社内のセキュリティ部門のCSIGがあるので、興味がある方はカジュアル面談を申し込んでいただけると、中の人が事例とかどのようなスキルが必要とされているかとかお話できるかと思います。

失礼なことを聞くようで申し訳ないのですが、フューチャー株式会社は年収どこまで伸ばせますか?

おっと、それ聞いちゃいます? 転職のときにもがっと上がったけど、入ったあともがっがっと上がっています。技育イベントは公開イベントですので、そのあたりはもうちょっとクローズドなフューチャーのイベントで社員の人にぶつけてもらえればと思います。

年収は能力というか入った会社次第なところがありますが、一般的な傾向としてはきちんと利益を上げていく、業績を伸ばし続けていたり安定している会社が延ばしやすいと思います。

就活対策で会社が公開しているプレスリリースはきちんと目を通した方が良いですよ、というお話はしましたが、決算資料の数値も見ておくと良いかと思います。