フューチャー技術ブログ

Software Design 2025年12月号 「今さら聞けないID管理 認証基盤を構築する際に知っておくべきこと」に寄稿しました

はじめに

こんにちは。TIG-DX の藤井です。

Software Design 2025 年 12 月号 第 1 特集の「今さら聞けない ID 管理 認証基盤を構築する際に知っておくべきこと」に、宮崎さん市川さんの 3 名で寄稿をさせていただきました。

第3章「IDaaS とはどんなサービスか Auth0 から学ぶ機能と選定の勘所」を担当し、Auth0 の機能や活用事例、IDaaS を選定する際の基準等、実際に IDaaS を活用する際に有用な知見を詰め込みました。

本記事にて、簡単に宣伝させていただければと思います。

Software Design とは

技術評論社より月刊で刊行されているOS・Web・プログラミング、技術者のスキルアップのための技術情報雑誌です。当社からも様々な分野についての特集で何度か寄稿をしています。

今回の特集について

そもそも ID 管理とは

世の中には数多くの Web サービスが存在し、その多くがアカウントを作成、ログインすることで利用できるようになっています。企業や学校などに所属している場合も、固有のアカウントが発行され、何らかのサービスを利用することがあると思います。こういったアカウントは、適切にユーザを識別し、ユーザに応じて適切に権限管理するために用いられています。このような仕組みのことを、一般に「ID 管理」と呼び、世にあるサービスの裏側では当たり前のように ID 管理が行われています。

当然のように存在し運用されているのが ID 管理という仕組みです。しかし、その仕組みの裏側は、そう単純ではありません。先述したユーザの識別と適切な権限管理、すなわち認証認可が正常に行えなければ、健全なサービス提供は不可能です。

さらに、ID 管理が行われているサービスを利用する場合、メールアドレスなどのユーザを識別する情報に加え、パスワードをシステムに登録することが多いはずです。これらの情報を紛失・流出させてしまう等があると、信用の失墜・訴訟など、大きな問題に発展してしまうため、適切かつ厳密に管理する必要があります(実際に個人情報が流出してしまったり、悪意ある攻撃者により窃取されてしまった…といった事例は枚挙に暇がありません)。

一方で、ID 管理はサービス提供へ密接に関わる仕組みです。そのため、ユーザにとって煩雑すぎたり、パフォーマンスが不十分だったり、システムの他領域との連携が困難だったりすると、サービスの品質低下にもつながります。

ID 管理を学ぶきっかけとしての本特集

しかしながら、「なんとなくは理解しているが、具体的にどのような仕組みなのか?」「実際構築になるとどうすれば良いのか?」 「フルスクラッチ? SaaS? SaaS なら何を使えば良い?」など、より実践的な内容は実は知らない、という方は案外多いかと思います。

ID 管理を伴うサービスを構築・運用している場合であっても、ID 管理に関しては専門家のようなメンバーが存在し、その人依存になってしまっている、というようなこともあるのではないでしょうか。

今回の特集は、まさにそういった方に向けた内容となっています。当然ながら、この特集を一読すれば ID 管理についてすべて理解できる、構築・運用ができるようになる、といったわけではありません。より詳細な技術要素を調べ・学ぶ必要はありますし、継続的に知識をアップデートしていく必要もあります。ただし、その取っ掛かりになる、「詳しい人に聞きたいけど、今更こんなに基本的なことは聞けないなぁ…」といった知識は十二分に得られる内容となっています。

特に、当社が寄稿した第 3 章では、昨今広く利用されている ID 管理のための SaaS、IDaaS である Auth0 について取り上げています。

どういった機能が存在し、どのようなサービスが実現できるのか。少し汎化して、IDaaS を比較する際の観点は何か。といった、IDaaS を活用していくための、実践的な内容を記載しています。ID 管理するにあたって、Auth0 をはじめとする IDaaS を選択肢の1つとして取り入れることができる内容となっているかと思いますので、ぜひご一読いただければと思います。

おわりに

先述の通り、ID 管理は昨今のサービス提供には欠かせないものである一方、意外と詳しい人は少ない、というのが実情だと認識しています。今回の特集を機に、より多くの方が ID 管理の世界に手を伸ばしていただき、より安心・安全・便利なサービスが増えることを願っています。

また、普段から ID 管理には携わっており、Auth0 も活用していますが、今回の寄稿をきっかけに改めて知識を整理・更新できました。雑誌に寄稿するという経験を得られたことも大変ありがたく思っております。このような機会をくださった技術評論社様に、この場を借りてお礼申し上げます。