はじめに
こんにちは、TIG中神です。
フューチャー社内の有志のメンバーでデータマネジメント設計ガイドラインを作成しました。
この記事では、ガイドライン策定の目的と、その内容を抜粋して紹介します。
ガイドライン策定の目的
データマネジメントはデータ利活用を促進し、ビジネス価値を最大化させるための組織的な活動です。昨今の生成AIの急速な普及により、AI Readyでセキュアなデータマネジメントの重要性はさらに増しています。
しかし、いざデータ基盤を構築しようとすると、「権限制御をどこまで厳格にすべきか」「組織の成長に合わせて誰が何を管理すべきか」といった、技術・組織・運用の三者が絡み合う設計判断に直面します。
本ガイドラインは、こうした「現場のエンジニアや設計者が悩む実務的なポイント」に対する議論のベースラインを提供することを目的として策定されました。
想定活用シーン
- データ基盤の新規立ち上げ時における全体方針の策定
- 組織拡大に伴うデータガバナンス(権限制御やロール定義)の再設計
- ETLやデータカタログなどの技術スタック選定時の比較検討
このガイドラインでは抽象的な理論に留まらず、具体的な設計案と評価観点を示すことで、設計者の迷いを減らし、意思決定を加速させることを目指しています。
ガイドラインの内容のご紹介
本ガイドラインは、データマネジメントの知識体系(DMBOK2)を参考にしつつ、よりシステム構築現場に近い視点で構成されています。
ガイドラインの主要なポイントを要約して紹介します。
データガバナンスモデル
分散型・中央集権型・連合型(データメッシュ)の比較。組織の成熟度に応じたシナリオを提示。
組織・ロール定義
データオーナーやデータスチュワードなど、組織規模によって変化する役割分担を定義。
データカタログ・メタデータ
データの発見性を高めるカタログの導入プロセスと、管理すべきメタデータのモデルを詳説。
データレイヤー・ETL
ETL/ELTの使い分け、ゼロETL、MDM(マスタデータ管理)など、データパイプラインの設計指針。
データ品質・プロファイリング
「だれにとっての品質か」という視点や、データコントラクトによる品質担保の考え方。
認証・権限制御
最も実務的な難所。列レベルの可視性制御や、組織変更に強いロール設計パターン。
シンプルなパターンから、部署限定・役職限定などの複雑な要件をどう技術的に落とし込むか、具体的なモデル案を記載。
運用・監査
データリネージの自動設定や、組織変更・棚卸しといったライフサイクル管理。
さいごに
今回紹介した内容はガイドラインの一部です。社内のメンバーはもちろん、社外の方々にも設計のベースラインとしてご活用いただければ幸いです。
またフィードバックやPRについてもお待ちしております。
最後に、本ガイドラインの作成に貢献頂いた有志のみなさんに感謝します。
データマネジメント領域は技術のやトレンド移り変わりが速く、関連用語や実現するため技術・プロダクトは構想検討や設計時点で常に情報をアップデートしていく事が望ましいです。
ただ、データマネジメントを構成する設計要素やポイントは汎用的であり普遍的なものですので構想検討や設計のベースラインとしては利活用できるものにはなっているのではないかと思います。
データマネジメントは一度構築して終わりではなく、ビジネスの成長に合わせて進化し続けるものです。本ガイドラインも、今後の技術トレンドや新たなユースケース(非構造化データの高度な活用など)を反映し、継続的にアップデートを図っていく予定です。
ですが「ここ、もう古くなってるよ」とか「最新の考えはこう」という内容を見つけられましたらぜひPR頂けますと大変ありがたいです。
本ドキュメントが、データマネジメントに関わるエンジニアやデータスチュワードの方々にとって、より良いデータ利活用環境を築くための「道標」となれば幸いです。