こんにちは、フーチャーのTIG所属、真野です。
パネルディスカッションとして参加したらとても良い経験になったため、その流れで開催報告記事を担当させていただくことになりました。
勉強会の背景
TIG所属の渋川さんが、無料の電子書籍『Real World HTTPミニ版』をリリースしたこともあり、せっかくなのでみんなで勉強会しようということでイベントを企画しました。
その名も…
『Real World HTTPミニ版リリース記念勉強会』です!
そのままですね。笑
Real World HTTPミニ版は、若手エンジニアの勉強会や、企業の新人研修で使われることも想定されているということで、じゃぁ新人研修に関するパネルディスカッションも一緒に行おうということになりました。
折しも時期は3月、ちょうど企業側が新人研修のコンテンツに苦慮している時期なため、ちょうどよいのでは? という目論見もあります。
当日のスケジュールは以下のような時間配分です。
来てくださった皆様、本当にありがとうございます!
No | Time | Notes |
---|---|---|
1 | 30min | 著者の渋川による発表 |
2 | 30min | 新人教育に関するパネルディスカッション (リクルートテクノロジーズ 古川陽介さん、DeNA karupaneruraさん、フューチャー真野、司会渋川) |
3 | 45min | 懇親会 |
著者発表
渋川さんによるReal World HTTPの最新情報です。
ミニ版をなぜ公開したかといった背景の説明や、さらにReal World HTTPに追加するネタもいくつか紹介。
アカデミックなプロトコルの話ではなく、あくまで現実世界で使われているようなWebFrameworkの仕様のようなネタが紹介され、個人的には非常に勉強になりました。
内容について
簡単ではありますが、聞いていてすごいなーと思った点をまとめました
- ミニ版はHTTPの基礎だけを取り出した本!
- 著作権を調整したので、社内教育用に引用できる!
- そもそもReal World HTTPを書いた背景
- フレームワークを学ぶ、というのはあるが裏でどう動いてる、というのを体系的に学べる機会をつくる
- Webの一次情報は見るのは良いが、RFCはそれだけだと単独機能の説明のため全体像がつかみにくく、読み解くにはスキルが必要
- 本は出版すると古くなるが、基礎的な知識があれば新しいこともわかるようになるのでキッカケにしたい
- 無料にした理由
- 無料にすると多くの人の目に触れる。中身を知らないものは売れないという時代もある
- 同じだけの知識量を、次の世代の人がより短時間で学べるようにするため
- 同じ苦労をして同じ量しか学べないのであれば上の世代としては失格
- ミニ版の内容
- HTTPの基本的内容
- 初版出版後から追加したい内容をGitHub Issueで管理していた
- これから書きたいネタについて(膨大なネタが…!!!ぜひ続編に期待しましょう!!!)
パネルディスカション
フューチャー含めた3社でReal World HTTPや、それに絡めた新人研修についてディスカッションです。
パネラーは以下の方々! 司会は安定の著者渋川さんです。
- リクルートテクノロジーズ 古川陽介さん
- DeNA karupaneruraさん
- フューチャー真野、司会:渋川さん
新人研修はそれぞれ各社の特色が出ていて、話していて面白かったです。
ディスカッション内容
以下のようなテーマで話していました。
どこも優秀そうな新米エンジニアな方を、さらに強くするために色々と工夫されていてスゴイと思いました。
また、新人研修について参加者の方からいくつか質問をいただきました!
話したテーマ(ネタ)抜粋:
- 新人教育において工夫してる点
- 低レイヤーやパフォーマンスを意識させるためISUCONを活用しているとの意見もあり
- 某A社では、HTTP Requestをスクラッチで実装させたりするらしい
- 某B社ではWiresharkのようなアプリをスクラッチで実装させているらしい(恐ろしい..)
- HTTPはサーバよりクライアントを実装してみるほうが理解しやすいとか
- 入社する人の背景は様々。研修のレベルはどう合わせてるか?
- Real World HTTPは本当の初学者にはぶっちゃ敷居が高くないかという話
- Login後Redirect遷移などの理解がピンとこない人向けにレファレンスとして使わせてる
- 迷子になったときの指針書として良い
- フューチャー社で渋川さんに質問すると、だいたい自著をページ番号付きで引用してくる件
- HTTPヘッダーについて詳しく書いてある本が少ないので、Real World HTTP ヘッダー版を出版してくれないか話
- 新人研修の規模感と、研修のスタイルについて
- 新人研修で最近の情報系はどの程度、現場の技術を知っているものなのか
- 単なる技術ではなく、ITエンジニアとしての考え方、振る舞いをどうやって身につかせるか
などなど
書ききれないですが、非常に濃密な30分だったと思います。
まとめ
HTTPの通信周りや、ブラウザの挙動で悩んだ時に読んでいた Real World HTTPという技術書ですが、その背景にある渋川さんの思いに触れられて刺激をもらえる良い会でした!
各社の新人研修もとても良いですね。可能であれば年齢含めて何もかも偽って受講したいと思いました。笑
また、こういったイベントでお互いの知見を交換しあえる機会を作りたい思います!
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