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AWS Certified Solutions Architect - Associate 合格体験記

こんにちは、TIGの市川浩暉です。

先日、業務の合間を縫って少しづつ勉強を進めていた、AWS Certified Solutions Architect - Associate(AWS SAA)を受験し、合格することができました。

今回は合格までの学習方法と試験を受けた感想を共有したいと思います。

この記事がこれから受験する人の一助となれば幸いです。

合格バッチ

AWS Certified Solutions Architect - Associate とは

AWS 認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト試験は、AWS における分散システムの可用性、コスト効率、高耐障害性およびスケーラビリティの設計に関する 1 年以上の実務経験を持つソリューションアーキテクト担当者を対象としています。
引用:AWS 認定 ソリューションアーキテクト – アソシエイト

AWS 認定 ソリューションアーキテクト – アソシエイト試験は、AWSで提供されている認定試験のうち、アソシエイトレベルに位置づけられている資格で、以下の能力が検証される試験になっています。

  • AWSのテクノロジーを使ってセキュアかつ堅牢なソリューションを設計するための能力
  • 適切なAWSのサービスを使用し、要件を基にアーキテクチャ原則に従ってソリューションを設計する能力
  • ワークロードのライフサイクルを通して、ベストプラクティスに基づく実装ガイダンスを組織に提供する能力

試験ガイドはこちらです。
AWS Certified Solutions Architect – Associate(SAA-C02) Exam Guide

AWS Certified Solutions Architect - Associate試験は、試験名称が長いので、よく AWS SAA と略されることが多いです。
AWSの認定資格試験は現在12種類ありますが、個人的にはAWSの勉強を始める上で最初に受ける登竜門のような試験である印象を持っています。ベーシックレベルの試験として「クラウドプラクティショナー」の試験もありますが、実務経験が一定程度あるのであればAWS SAAから受験して問題ないと思います。

この試験の勉強を通じて、AWSの主要サービスやAWSの推奨するアーキテクチャ構成の理解を深めることができます。

受験したきっかけ

以前所属していたプロジェクトが少人数体制であったこともあり、アプリ・インフラを横断的に見て課題解決に当たることが多くありました。そのため、業務では私が担当していたアプリの知識だけでなく、インフラの知識やAWSの知識が求められることが多く、ミーティングで話についていけない時があったため、話を理解できるようにしたかったのが受験したきっかけになります。

また、直近のプロジェクトでは要件定義に近いフェーズを実施していたため、機能実装や構築を行っておらず、技術力が下がっているのでは?、と少し不安を抱えていたため、資格を一つのマイルストンとして設定し、モチベーションを維持しようと考えました。

試験対策

以下に私が合格するまでに実施した勉強法を記載します。

使用した教材

Udemy教材

他の合格体験記にもよく出てきますが、基本知識はこの教材で身につけました。
サービスの説明だけでなく、ハンズオンもついており、非常にわかりやすいです。
ハンズオンを含めると結構時間がかかるので、他の方の合格記ではハンズオンだけSkipしている方もいますが、私は理解を深める目的で全て実施しました。

これもUdemyの教材になりますが、比較的難易度の高めの問題などを中心に構成された問題集です。(講義はなく、問題のみのコンテンツ)
上記のアソシエイト試験突破講座にも小テストと問題集がついていますが、もう少し問題演習をしたい人は購入しても良いかと思います。

ただ、Udemyの仕様に引きづられているのかわからないのですが、この問題集は一問一答形式ではなく、65問解き終わって初めて正解が分かります。一気に65問解くのは結構ハードなので、一問一答形式で問題演習をしていきたい人は後述する「aws.koiwaclub.com」での問題演習をした方が勉強しやすいかもしれません。

学習サイト aws.koiwaclub.com

「AWS WEB問題集で学習しよう」というサービスで、実際の試験レベルに合った問題演習を行うことができます。問題数も豊富で、ここに記載されている合格体験記を読んで勉強法や出題傾向を確認していました。

有料のサービスにはなりますが、問題の質は良く、ここから実際の試験に出てきた問題もいくつかありました。私は試験1週間前にこのサービスに申し込み、#90 〜 #148 の問題を解いてました。

また、解答形式は一問一答形式で、解説+関連するAWSの公式ドキュメントのリンクも付いているので非常に学習しやすく、理解も深めながら進めることができました。

書籍

リファレンスとして、こちらの本を使っていました。
非常に整理されていてわかりやすく、動画や問題演習で身に付けた知識を整理するのに非常に有用でした。

AWSのSAAの試験内容が2020年に改定されたことに伴い、少し前に出版された本は現在のSAA-C02版に対応していない場合があります。そのため、書籍を購入する場合は、SAA-C02版の試験に対応している書籍かどうか、念のため確認したほうが良いと思います。

AWS主催の試験準備ワークショップ 「ソリューションアーキテクト - アソシエイト」

私が学習をしていた時期にちょうどAWS Summit Onlineが開催されており、期間中に「AWS 認定 - 試験準備ワークショップ ソリューションアーキテクト - アソシエイト」という講座が配信されていたので、そちらを視聴しました。
内容としては、「レジリエント(回復性がある)アーキテクチャ設計」、「高パフォーマンスアーキテクチャの設計」、「セキュアなアプリケーションとアーキテクチャの設計」、「コスト最適化アーキテクチャの設計」の4つのセッションで構成されており、サンプル問題とその解説が行われます。

現在でも定期的にウェビナー形式で行われているので、もし時間に都合がつく方は受けてみると良いと思います。

Black Belt Online Seminar

Black Belt Online Seminarとは、AWSの技術担当者が各サービスについてテーマごとに、そのサービスの概要を説明してくれる動画コンテンツです。過去に開催された Black Belt の動画や資料のアーカイブはこちらから確認することができます。

動画だと理解が深まりやすい分、視聴するのに時間がかかるので、私は全てのサービスを視聴せず、上記教材でも理解が浅い領域のみ見ていました。

勉強の反省点

当初はUdemyの講座を受けてハンズオンを行い問題演習をする流れで学習を進めていました。しかし、今振り返ってみると理解ができていないまま画面の通りに操作しているだけになってしまったかなと思います。ですので、一旦全体的な知識を身に付け、ある程度の問題演習をした後にハンズオンを実施する流れだと、理解がさらに深まったのではないかと思いました。

受験方法

ピアソンVUEを利用して自宅受験を選択しました。
というのも、私が受験する際に「自宅からAWS認定を受験すると、1回目の受験が不合格でも、2回目の再受験が無料になるキャンペーン」を実施しており、こちらを利用して受験しました。

結果、1回目で合格してしまったので2回目が無料になる特典は利用せずでしたが、精神的な余裕を持って試験に臨むことができたと思います。

担当いただいた試験官の方は海外の方でしたが、指示はチャット形式(日本語)で行われたので非常にスムーズで、自宅での認定試験受験は部屋を片付けないといけないこと以外は特に不自由はなく受験することができました。(少し前は試験官の方が海外の方だったっぽく、コミュニケーションが取りにくかったことがあったらしいのですが、現在は改善されているようです)

試験での注意

AWSの認定試験ではよく変な日本語の問題があるとよく言われていますが、やはり今回の試験でも日本語がおかしい部分が多々散見されました。最初はとっつきにくさを感じますが、解いていくうちに次第に慣れてくるのと、表示を英語に切り替えて意味を理解することはできるので、そこまで大きな負担ではないかなと思います。

合格後の特典

AWS認定試験に合格すると、いくつかの特典を受けることができます。

合格後の特典
  • 50% Discount on your next Exam
    • 次回受ける認定試験の受験料が半額となる。
  • AWS Free Practice Exam Voucher
    • 模擬試験(¥2,000 ~ ¥4,000)の無料クーポン
  • Apply to join our Subject Matter Expert (SME) Program
    • SMEへの参加資格を得られる。
  • AWS Certified Associate: Store Access
    • AWS公式グッズのストアへのアクセスができる。
  • AWS Certified Global LinkedIn Community
    • AWS認定資格に合格した者のみが参加できるLinkedInのコミュニティへ参加できる。

また、試験に合格した証として認定バッチも受け取ることができます。

認定バッチ

感想

業務の合間を縫って資格試験の勉強をしていくことは非常に大変でしたが、そこで得た知識を業務に活かせていると実感できることがあり、勉強のモチベーションが下がることはありませんでした。また、前のプロジェクトで構築していたアプリケーションのアーキテクチャ構成がAWSのベストプラクティスに従って設計されていることを理解できたり、前プロジェクトで学んだ断片的なAWSの知識の点が、線で繋がっていく感覚を感じることができたのが非常に面白かったです。

また、広い範囲で多くの機能が提供されているAWSをただ闇雲に学ぶのではなく、資格をマイルストンとして設定してそれに向かって勉強を進めていくことは、効率的にAWSの概要やクラウドインフラで押さえておくべき知識を学ぶことができるという点で非常に有用だと思いました。

まとめ

今回、資格としての合格は得ることはできましたが、まだスタートラインに立ったばかりなので、これからも継続的に復習をして、レベルアップしていきたいと思います。また、AWS SAAだけでなく、AWS DVAやSOAなどの試験に向けて、継続して学習を進めていきたいと思います。

Future Tech Blogでは、今回扱ったAWS SAAの上位資格であるAWS Certified Solutions Architect - Professionalに合格した伊藤真彦さんの記事やAWSだけでなく、GCPやTerraform認定試験の合格記もありますので、認定試験を受験する前にぜひご覧ください。