はじめに
TIG DXユニット真野です。いつの間にかFuture Tech NightというIT勉強会をメインで運営をすることになりました。イベント企画&実行も楽しいですね。何度か回を重ねることでナレッジが溜まってきたので共有します。
利用するツールは以下です。
- connpass
- メンバー登録お願いします!
- Zoom
- Google Workspace(Google Form, Google Chat)
- SpeakerDeck, Google Slide
ナレッジについて
スケジューリングについて
月1程度の頻度で開催を目指す場合を前提にします。本業(フューチャーだとITコンサルティング事業)と兼務で勉強会の企画をする場合、どのテーマからやろうかと毎月考えるとパワー不足になりがちです。そのため年1で大まかな計画を立てることがおすすめです。それ自体をブログ記事にしておくと検索性も高まるのでおすすめです。
2021年、2022年も運用を回す前に有志で集まって、このテーマでこの月は勉強会しようと決めて運営しました。このとき登壇者はby-nameでは決めておらず、だいたいこの人が出てくれると良いな、というレベルです。
勉強会テーマについて
できる限りテーマは小さく絞った方が良いです。例えば、「AWS勉強会」よりは「AWSデータレイク勉強会」の方が明らかに聞き手から見て何を話すかイメージがつきやすいため、集客にプラスです。フューチャーだと、「Terraform勉強会」ではなく「Terraform State縛りの勉強会」にすることで、参加者の聞きたいことと実際に話す内容のギャップを減らすことができたと思います。すでにコモディティ化しているような(?)テーマの場合は、なるべく絞った方が選択されやすいでしょう。ユニークで、尖った勉強会になるように引き続き工夫していこうと思っています。
逆に、IoT勉強会といった広いカットだと、その分野でブランドが確立していない場合は、具体的な技術要素がどういったものが出てくるか聞き手に見えずマイナスだなと感じます(ラズパイでの作ってみたなのか、PLCといった産業機器の話なのか、NodeRedみたいなソフト寄りの話なのか本当に絞れないため)
採用色について
connpassのサービス自体が「エンジニアをつなぐIT勉強会支援プラットフォーム」ですし、ガチ採用イベントはあまり好まれない傾向があるかなと思います。一方で、○○エンジニア座談会みたいな形式だとあまり違和感がないと思います(私も聞いてみたいケースがある気がします)。
通常の勉強会であれば、最初 or 最後に採用への誘導を5分ほど行うと良いかなと思います。 Future Tech Nightでは最初の5分で会社紹介。最後の5分でアンケートやこのポジションとかどうでしょうか? とか軽く話しています。最初の5分の会社紹介ですが、勉強会の開始が19時でZoomへの参加が少し遅れる人がいつもいるため、メインコンテンツはちゃんと聞けるような配慮でもあります。
テーマ選定は型にハメすぎない
がんばらない手ぶらオンライン勉強会 というふうに社内勉強会を拡張して社外向けに行っちゃうみたいなの運営も手かと思います。偏りすぎず色々混ぜていくと良いかなと思っています。要はバランスですよね。フューチャーはグループ会社がたくさんあるので、コードキャンプさんと「いいコード」について語り尽くす Night! #1 を共同で開催したり、色々面白うそうだったら気軽にやってみようという姿勢でいます。このあたりは会社の文化次第かもしれませんが、トライ&エラーできる環境であることを少しでも伝わると良いかなと思います。
開催日時
なんとなく、Future Tech Ngithでは木曜日19時開催が良いという経験則を得ました。
理由は以下です。
- なんとなく集客が良い気がする(感覚値ですいません)
- 金曜日開催だと、資料公開のラグがでてしまう
- 完全に運営要件ですが、直前まで資料をブラッシュアップする人が多く、登壇後に最終チェックのためレビューを考えると、翌日が営業日であったほうが良い
- つまり大事なのは、土日/祝日の前日でないこと
- 19時は家族持ちの方だとディナーで出れない人もいらっしゃいますが、20時開始だと業務時間にすることに抵抗がある
- それより早い18時開始だと、まだ働いている人がいるのか、18時半などといったかなり遅れての途中参加の人が多かった
- これは客層にもよりそうですが
登壇者数と発表時間
1時間枠だとすると、登壇者は2名が良いです。3人だと10~15分の登壇時間になるためバタバタしがちです。タイムキープも思ったより難しいのか、だいたい押しちゃいます。
登壇者は2名の場合は、20分~22分のレンジが目標です。20分より短いとちょっと早く終わりすぎになるため、質問時間で来てくれた人になるべく多く得てもらえるように司会も頑張る必要があります。とは言え、20分は慣れていない人からすると長く感じられるかもしれないですが、いざ登壇してちゃんと話そうとすると時間がちょっと足りないという方も多いのか、ほとんど早く終わったことがないです。
登壇者が決まったら
登壇者、運営者、資料レビュアーなど複数のロールが入るため、それ専用のチャットルームを作って使い捨てる運用にしています。
アンケート
アンケートは絶対とったほうが良いです。何より登壇者の励みになるためです。わざわさアンケートに答えてくれた人、いつもありがとうって思います。
Future Tech NightだとGoogleフォームで行っています。この時、アンケート回答結果は登壇者に権限付与して自分で見れるようにすると楽だと気が付きました。わざわざ登壇してくれるくらい良い人であるので、管理者権限、あたえちゃいましょう。結果を後でじっくり見たいときもあると思いますので。
登壇後の質問タイム
ZoomにおいてはFAQ、チャットなどで質問があれば投稿してもらうようにしています。Twitterでも指定のハッシュタグ( #future_tech_night
)でツイートしてくれれば拾うようにしています。
ただ、セッションの発表中に質問を書くことは通常難しいため(聞き手も集中しているので)、発表後に質問タイムをとってポツポツ出てくるかなという感じでしょう。最初の質問が出てくるまでのラグがもったいないので、このときは司会が「素人質問ですが~」で投げるときもあります。これは司会者特権かもしれません。
あと、どうしても質問が出なかったときは別の登壇者に振ったりしても良いかもと思っています。大枠は同じテーマで来てくれているはずなので、質問でなくても感想でも新しい視点が出たりで楽しいです。質問に関してはテーマによって出にくいなと思ったら、知り合いにサクラを頼んでも良いかもしれませんが、Future Tech Nightではあまりがんばれていません。サクラ募集です。
宣伝について
特に自社の社員への宣伝は大事です。社員の場合はconnpass登録しなくてもZoom接続情報を渡すようにしています。長期的にはスキル底上げにも繋がりますし、know whoにもなりますし良いこと尽くめでしょう。もちろんconnpass登録したい人を止める理由はないので自由です。開催がオンラインのため会場キャパシティの限界は無いためどんどん呼び込むと良いでしょう。
Zoomについて
さきほど会場キャパシティの限界は無いと言いましたが、ちょっと嘘です。こと開催がZoomであればアカウントによって500人枠くらいの上限があります。ただ殆どのイベント規模では十分でしょう。
Zoomに関しては以下を気をつけています。
- 終わった後にアンケート回答設定があるので利用する
- 画面共有時に音楽設定がありBGMを流すことが可能だが、あまり使わない
- 普通に自分のPCで音楽を流したい派なので自分は利用しない
- 今の御時世、事前リハはほぼ不要
- 当日5分前くらいに確認で良いのでは(しなくても良いくらい)
- 楽をしたい
- 業務がリモートワークほぼ100%(多分)なので、機材トラブルになった試しがない
- 登壇者の入れ替わりについて
- 音声/動画が見えていますか? って一応確認する登壇者の人も多いので、すぐ返すようにする(場合によってはフルスクリーンになったら、ちゃんとフルスクリーンになっていますよって返す)
イベント募集サービスについて:
connpass以外の勉強会募集サービスは使って無いです。 純粋にIT技術の勉強会であれば十分すぎると思っています。ビジネス層を狙う場合は少し違うのでどの層を狙うかは大事でしょう。フューチャーだと Future Insight Seminar というビジネス観点でのセミナーを開催していますが、そちらはconnpassを利用していません。
connpassイベント開催の設定
いくつかナレッジがあります。
画像について
まず画像サイズは気にしましょう。画像は横660pixel × 縦270pixelである必要があります。スマホ/PCで崩れないようにテキストの位置決めにはちょっとコツがあります(未だあまり慣れない)。
Zoom接続先の共有方法
従来はZoom接続先を参加者メールで送っていましたが、何名の片からメールが届かないと連絡がありました。対応が大変ですし自分がその状態だったらキレる自信があるため、connpass上に参加者のみ表示できる枠があるので、そこに接続URL+パスワードを入力することが良でしょう。
重複参加
connpass上でスケジュールが被っている参加を拒否する設定があります。オンサイト開催ですと物理上ありえないため有効な設定ですが、オンライン開催だと、この発表だけイベントA、それが終わったらイベントBにハシゴするといったユーザー行動も十分ありえますし、Welcomeですらあると思います。そのため重複参加をOKにしています。
登壇者を管理者に入れる
connpassのイベントページには、登壇者の他に、「管理者」欄があり、そこにconnpass IDを登録するとイベントページ自体を編集できます。さすがに性善説で登壇者を管理者に入れています。ちょっとしたタイトルの修正などは本人に対応してもらうと楽です。
当然ですが、ちゃんと登壇者のconnpass IDを入れるようにしましょう。connpass上のアカウントで登壇実績になるのでモチベーションにつながると思います。
あと、地味ですがアイコン・自己紹介は未設定の人には登録してもらっています。やっぱりあった方がどのような人が発表するかわかって良いかなと思うからです。
イベントの公開タイミング
公開は2週間前を目安にしています。金曜日に公開するとなんとなく拡散が弱い気がするので、月曜日に公開することが多いです。3週間前でも4週間前でも良いかと思います。月次開催だと、本当は前回勉強会時の宣伝時に、次回勉強会の宣伝を流せたほうが良いかと思いますので、4週間以上前に公開するのも手かもしれませんが、イベント間の運営期間が被るため、マネジメントコストは上がるかなと思います。
会社説明について
実は、Future Tech Nigthでは会社説明が一番レビューで時間がかかるところです。なぜかというと、クライアント情報や案件など、話してよいか非常に厳密にチェックするため(事業部長レベルにも見てもらいます)。このあたりは個々人で話すと負荷が高いので、運営が統合したほうが無難です。そのため司会の人が話すと良いかなと思います。
このあたりの運用は、どのような権限を運営者に移譲するかで変わるとは思います。
資料の公開
Google Formのアンケートで、資料公開/動画公開するのか? ってけっこう来るため、勉強会の開催前後で公開有無について触れてあげると優しいかなと思います。なるべく1営業日以内の即時で公開を目指すといいでしょう。鉄はアツイうちに打て的な。
Future Tech NightではHR(人事)と事業部長レベルのレビューが必須です。このときのワークフローですが、登壇者に依頼ではなく、運営側が巻き取ってます。理由は以下です。
- ワークフローを回すのは慣れた人がやると早いし楽
- 逆に、こういった調整が苦手な登壇者の人も多い。逆に慣れると一瞬なので運営側がやるコスパが高い
- いちいち登壇者に承認フローを回してねと依頼するほうが手間。またちゃんと依頼しているか確認することの方が苦痛
最終的な資料公開は登壇者のアカウントで行ってもらうのでお願いしていますが、発信周りは運営側の仕事です。
- 承認が降りたら登壇者に公開依頼→connpass上に資料紐付け/Twitter発信 までしています
- このとき同時に社内側のSlackなどにも共有することで、アウトプットしている感を出して、社内の雰囲気を気持ち盛り上げたりもしています
#future_tech_night
のハッシュタグ盛り上げ
会によっては、こちらで感想をくれる人もいます。Zoom上のチャット機能なのか、Twitterで盛り上がるかどっちなのかは自分も感覚がつかめていないですが、どちらもウォッチしておくことが無難でしょう。Zoomのチャットは大体が過疎るので、このあたりは自社イベントであれば最初の投稿は身内に頼むと良いかもしれません。
登壇レポート(技術ブログ)
最近は登壇者1名ごとに、開催しましたブログを書いてもらってます。感想や当日もらった質問について、登壇終わった後の振り返りなど簡単に書いてもらえるとコンテンツを使い倒している感じが出て良いと思います。運営の改善アイデアも出ることもありおすすめです。
従来は代表して1名の方に書いてもらいましたが、他の登壇者の感想コメントを求めたり依存が出てくるため辞めました。シンプルな構造が運営も楽です。
動画もアップロードする
編集はがんばらず(前後トリムする程度)でYouTubeに勉強会動画を上げています。
運営的には動画あるとメリットがあります。例えば、新規の登壇者を調整するときに、過去の勉強会の様子を知りたいという要求を受けたときに、URLを共有するだけで済みます。また、YouTubeだと倍速でも聞けますし、時間がない人にも便利。またご家族とのご都合などで19時開始に参加することが難しいといった方にも、後で動画を公開するのでお待ち下さい、と素直に言えるようになったのは本当に気が楽になりました。再生数などはいったん追わず、運営都合でアップロードすると良いでしょう。
まとめ
connpass, Zoomで運営していて気をつけている内容についてまとめました。
色々書きましたが、基本的には登壇者を信じて、connpass, Zoom, Google Formなど運営と同じ権限を付与し、気になったら自分でやれるようにするということかなと思います。情報およびアカウント権限の非対称性を作らないといつも思っています。
これは自分も別に人事とかに所属しているわけじゃなくて、普通に現場で働くITコンサルタントなのでそうしている面もあるかもしれません。合理的に楽していきましょうという意識は忘れないようにしています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。