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エキスパートPythonプログラミング改訂4版が発売されました

エキスパートPythonプログラミング改訂4版が本屋に並び始めました。電子版も購入できます。

改訂というと「ちょっと追加されたところを翻訳するだけで丸儲けやんけ」と思われる方もいるかもしれませんが、過去の中で一番大きく改訂されており、新規に一冊訳すのとほぼ変わらない、大変な翻訳作業になりました。

ざっと、4版の章構成と、それに該当する3版の章を並べたのがが次の表です。3版では17章あったのが、13章に整理統合されました。

4版の章 該当する3章の章
第1章 現在のPythonのステータス 第1章 現在のPythonのステータス
第2章 現代的なPythonの開発環境 第2章 現代的なPythonの開発環境
第3章 Pythonの新しい要素 完全新規
第4章 Pythonと他の言語の比較 第3章 構文ベストプラクティス クラス以外, 第4章 構文ベストプラクティス クラスの世界
第5章 インターフェイス、パターン、モジュール化 第17章 Pythonのためのデザインパターン
第6章 並行処理 第15章 並行処理
第7章 イベント駆動プログラミング 第16章 イベント駆動型プログラミング
第8章 メタプログラミングの要素 第5章 メタプログラミングの要素
第9章 PythonとC/C++をつなぐ 第9章 他言語によるPythonの拡張
第10章 テストと品質保証の自動化 第12章 テスト駆動開発
第11章 Pythonパッケージの作成と配布 第7章 パッケージを作る, 第8章 コードをデプロイする
第12章 アプリケーションの挙動とパフォーマンスの監視 第13章 最適化 一般原則とプロファイリング
第13章 最適化 第14章 最適化 テクニック集

該当の章があっても、だいたいどの章も、文章が半分以上大きく変更されています。名前付け、ドキュメントといったPython固有でない内容は大幅にずばっと削られていますし、もう30年近く古いC++などのために作られ現代のプログラミング言語では親父の小言程度の扱いしかされないデザインパターンなどもほぼ削られています。その分、マイクロサービスなどの文脈でTwleve Factor Appとかオブザーバビリティの話題も追加されたりしています。トータルのページ数はあまり変わりませんが、かなり贅肉が削られて、よりゴツい感じにアップデートされています。

また、レビューアの方々も徹底的に(過去にあった文章かどうか関係なく)隅々まで見ていただいたりしたおかげで、過去と同じ原文にもかかわらず訳はより洗練されて見やすくなっていると思います。

今回も型ヒントについて日本語オリジナルのAppendixを追加したり、この技術ブログにも書いたコンテナ周りの話をコンパクトにして訳注として差し込んだりしていますし、書籍が説明する対象のPythonバージョンを上げて、最新のトピックの注釈を足したり、また現在サポートされなくなった3.7の情報は削ったりして、「今Pythonを書いている人」により相応しい内容にアップデートしていますし、原著にあったミスもかなり報告しながら翻訳を行なったので、原著を持っている人が改めて買っても価値を感じていただけるような翻訳になっているかと思います。

ぜひ、本屋で手に取っていただけるとうれしいと思います。