フューチャー技術ブログ

初めての海外カンファレンスとKubeCon Japan参加レポート

こんにちは。TIGの伊藤です。この記事はCNCF連載2025の2日目の記事です。

今回はこのCNCF連載とタイミングを同じくして開催しているKubeCon + CloudNativeCon Japanに参加してきたので、1日目に私が回ったセッションや会場の雰囲気についてお伝えできればと思います。

KubeConとは

Cloud Native Computing Foundation(CNCF)が開催しているカンファレンスであり、これまで、ヨーロッパ、北アメリカをはじめとして世界各国で開催されてきました。私がクラウドネイティブ系のコミュニティに関わり始めたのが2019年ごろで、その時から行ってみたいカンファレンスでした。
そして、今年ついに日本で開催されると聞き、今回参加できました。
(参考:日本初開催!KubeCon + CloudNativeCon Japan 2025、6月16日-17日に東京で開催

KeyNote

CNCFのChrisから、直近のクラウドネイティブのコミュニティや今回の開催地となった日本のCNCFへのコントリビューションの度合いなどについてのセッションでした。

まず、今回のKubeConにおいては、1500人分のチケットが全て売り切れとなり、今回のカンファレンスへの関心度がわかります。

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また、それだけではなく、来年のKubeCon + CloudNativeCon Japan 2026も開催が決定し、会場も非常に盛り上がっていました。

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私としても今回連れてきたかった同僚たちを誘って、来年は会社としてもっといろんな情報が集められればいいなと思い、来年の楽しみが1つ増えました。

その他、日本の企業におけるCNCFプロジェクトのケーススタディについても紹介されており、日本のコミュニティ自体にも注目が集まっているようでした。私としては、プロジェクトでもがっつり利用しているKeyCloakが日本のコントリビュートが活発であることから、出せる情報は登壇などできたらいいなと思います。

他のセッション

その他のセッションについては海外の参加者がほとんど、というわけでもなく、だいたいどの時間帯も1つは日本の方のセッションをやっていました。

ただ、セッション自体は全て英語で進んでいくので、本当にぎりぎり聞けたものや、一緒に聞いていた知り合いなどと話してちょっとずつ理解していくという感じでした。帰り際に、翻訳ツールも用意されているということを聞き、2日目はしっかり活用しようと思います(完全に準備不足でした)

タイムテーブル自体、個人的な最近の興味関心も含まれていますが、生成AI系やOpen TelemetryをはじめとしたObservabilityが多いように感じました。

また、今回私がみたセッションを1つ紹介します。

Should Our Project Join the CNCF? - Lenka Bočincová, Red Hat

このセッションでは、仮想的にKubeFishというプロジェクトがCNCFにジョインする場合、どのようなことが想定されるか、議論の対象になるかを解説していました。

例えば、企業で開発していて、プロジェクトを公開し、CNCFにジョインすることを決定した場合、権限もCNCFに移譲し、企業としての意思決定よりもCNCF、コミュニティとしての意思決定が重要視されるようになり、改めてこの観点についてはOSSという公平性を重んじていることがわかりました。

一方、CNCFのプロジェクトとしてジョインする場合、成熟度として以下の3種類あります。

  • Graduated
  • Incubating
  • Sandbox

このレベルはプロジェクトの健全性、および成熟度で判断され、コントリビューションだけではなく、プロジェクトがさまざまな環境で利用されていることも判断の対象になるようです。

また、仮にジョインできた場合、CNCFからも支援を受けることができるが、サンドボックスは他と比べるとはるかに少ないこともあり、ジョインする場合にはどの成熟度でいくかもジョインする側の観点としてはありそうです。各成熟度ごとにチェックリストがあり、事前にすべてクリアしていることが望ましいようです。

https://github.com/cncf/toc/blob/main/process/README.md#how-to-apply-to-move-levels

例えば、OSSのライセンスについても言及されていますが、これは利用しているライブラリについても追求されるため、何かしらのFoundationにジョインを目指すのであれば、開発時にある程度のチェックポイントを設けるのが良いのかなと思っていました。昨今、OSSのライセンスについてはさまざまな問題になったりしていることもあり、より注意が必要だと感じました。

会場の様子とカンファレンスの雰囲気

参加者の比率を見ているところ、かなり日本の方が多かったです。そのため、飛び交う言葉自体も日本語が多く、そこは安心して参加できました。

スポンサーブースについても、本国の社員の方が直接説明してくれたり、英語で聞くことが難しい場合にも日本の方が説明してくれるようになっており、そこまで尻込みせずに話を聞くことができました。私はそれでもビビりながら話しかけていて、1日目で回れなかったところもあるので、2日目も回ろうと思います。

まとめ

普段仕事としていろんな技術に触れていることも好きですが、改めて勉強会、カンファレンスに足を運ぶとモチベーションになると感じたので、この新しく得たモチベーションを元にプロジェクトの仕組みなどに取り入れていこうと思いました。

また、今回日本開催の海外カンファレンスに参加してきましたが、セッションだったりは基本的にずっと英語なので、改めてリスニング、スピーキングはしっかりできるようにしようと思います。

来年も日本開催が決まったので、そこで英語力、技術力をアップさせていけたらいいなと思います。