
ブログ運営の立場として、この生成AIブームな時代に「◯◯について技術ブログを書いてください!」と依頼し続けて良いのか?そんな疑問が湧きました。
情報収集はAIに聞けばいいし、書くこと自体もAIが手伝ってくれます。それでもなお、個人として技術ブログを書き、そして人に勧めるの理由を言語化しておきたい。
今回は、なぜ今あえて技術ブログを書いた方が良いのか、会社Slackのブログ寄稿者チャンネルで太田さん、澁川さん、枇榔さん、山本さん、橋本さん、村田さん、村瀬さん、柏木さんと相談した結果をまとめました。
自分のため
結局のところ、一番大きいのは自分のため。
- スキルアップ
- 書く過程で、曖昧だった知識が整理される。疑問を調べて解消することで、より深く理解できる
- アウトプットすることで、社内外からフィードバックをもらえて、さらに詳しくなれる
- 地味に文章力も上がる。どんな仕事でも役立つ
- セルフブランディング
- 自分のスキルや考えを示す、分かりやすい成果物になる。基本コンサルは守秘義務のため成果がクローズドになりがちなので、貴重。差がつく
- 「〇〇の技術に詳しい人」と認識され、面白い仕事の相談が来たりする。実際アサインを決める立場からも、情報発信ができる人を優先したくなる心情も
- 市場価値も自然と上がる。たまにクライアントが記事を読んでくれて、会う前から好感度MAXなんてことも
- ナレッジ共有
- 未来の自分や後輩への最高の引き継ぎ資料になる。「これ読んどいて」で済むのは楽
- だれかがググって自分の記事が出てきて助かったよ報告、ちょっと嬉しいし効率的
- 評価
- フューチャーだと「その他の貢献」として外部発信がアピールポイントになる
生成AI時代だからこその価値
生成AIの登場で、ブログの価値はむしろ上がった部分もある。
- 情報の鮮度と正確性
- AIの知識は少し古いことが多い。新しいライブラリやバージョン、ニッチな領域の情報は、結局人が書かないとネットの海に存在しない
- 「AIが出してくるコードが古い」「このエラー、AIに聞いても解決しない」みたいなことは、まだ頻繁に起こる。誰かが書いてくれるのは本当にありがたい
- 「AIに出せない解決法」という価値
- 「Copilotに勝つことを目標にしよう」という言葉が印象的だった。AIが生成するありきたりなコードではなく、もっとスマートな、あるいはもっと泥臭い、現場ならではの解決策にこそ価値がある
- そういう独自解を共有する場として、ブログは最適
- 今後のAI学習のインプットに使われる可能性
- モダンな記事を世の中に公開することで、将来のAIがさらに賢くなり、広範囲に良い影響を与えることができるという貢献
情報鮮度については、Dockerfileは生成AIが出してくるコードが古臭い、Tailwindは3系ばかり書いてくれて4系が全然書いてくれなくて割と困るという具体的な意見もありました。Goなら (*testing.T).Context()
を補完してくれる確率はめちゃくちゃ低い体感があります。
結局、「検索して出てこないから書く」が「AIに聞いても出てこないから書く」に変わっただけなんじゃない?という声もあり、たしかに!と思いました。
コミュニティと文化
ブログを書くことは、文化やコミュニティへの参加でもある。
- プレゼンスの向上
- 特にリモートワークが増えた今、自分の存在感を示すのは難しい。ブログは、好きな時間に書けて、自分という人間やスキルを知ってもらう良いツールになる
- 繋がり
- ブログを書いていると、同じような課題意識を持つ人と繋がれる。連載企画なんかに参加すると、普段のプロジェクトでは関われないような面白い人との出会いがある
- 「執筆者」というコミュニティに参加すること自体が、学習意欲を高めてくれる。一種の福利厚生みたいなもの
- ブログを書いていると、同じような課題意識を持つ人と繋がれる。連載企画なんかに参加すると、普段のプロジェクトでは関われないような面白い人との出会いがある
- 世の中がちょっとでも良くなれば嬉しい
- 今までインターネットに助けられた分、自分の知見を出して “恩返し” する。この心情はある程度、経験を積んでから達する境地かも
まとめ
「エンジニアを名乗るなら、インプット/アウトプットを継続しないとゆるやかに陳腐化していく」という危機感はみんな、少しは抱く。ブログを書くことは、単なる情報発信じゃない。自分の思考を深め、キャリアを築き、コミュニティと繋がるための強力な手段。
「書かない理由、ある?」とまでは言いませんが、これだけのメリットがあるなら、書いてみない手はないですよね。ブログ執筆に興味がある人のちょっとでも後押しになれば幸いです!