夏休み自由研究2026連載

夏休みの宿題をオンスケで終えられなかった私が、AWS全冠を約2か月で完走できた理由

AWS 合格記
目次

FutureVulsチームの棚井です。この記事は夏休み自由研究連載2026の1本として書いています。

「夏休み自由研究」連載の趣旨は、童心を思い出して何かをじっくり研究してみることだそうです。「夏休み」と言われて最初に思い出したのは、昔、8月31日の夜に机の上に残っていた宿題でした。当時、夏休みの宿題を予定どおりに終えた記憶はありません。毎年ギリギリに着手して、なんとか提出には間に合わせていました。

2026年8月31日、私は試験センターでAWS認定の最後の1つを受験しました。この試験にも合格し、全冠を達成しました。最初の1資格は5月に取得済みで、6月末のAWS Summit Japan 2026をきっかけに全冠を目指し、7月1日から8月31日までの約2か月で残り11資格を取得したことになります。

短期間でAWS全冠という記事はすでに多く、35日で終えた方もいます。今回は速さよりも、昔は予定どおりに進められなかった私が、今回の資格の勉強を試験日に間に合わせられた理由を振り返ります。

前提

この記事では、2026年8月31日時点で、下表の12資格をすべて保有した状態を「全冠」と呼びます。2026 Japan All AWS Certifications Engineersの資格要件を基準に、選択可能な資格についてはCloudOps Engineer - AssociateとGenerative AI Developer - Professionalを取得しました。これは保有資格の範囲を示すための基準で、2026年の同表彰を受けたという意味ではありません。

AWS認定の体系は変わり続けており、2026年9月1日には新しい認定 AWS Certified AI Business Strategist が発表されました。ベータ試験は同年9月29日から提供される予定です。Japan All AWS Certifications Engineers の対象資格は毎年 AWS JAPAN APN ブログ で発表されるので、今後、表彰を目指す場合は該当年度の条件を確認してください。

私はAWSを使った経験が通算4〜5年あり、直近の2年ほどは業務でインフラの設計・運用に継続的に携わっていました。クラウドコストの削減や構成の見直しなどを通じて、複数のサービスを学んできました。試験対策を短期間で進められた背景には、この下地があります。5月に取ったSecurity - Specialtyは会社の資格補助が出るから受けたもので、その時点では全冠を目指していませんでした。全冠を目指すきっかけになったのは、Summitの会場で、AWSのエコシステムが日本のさまざまな産業に広がっていると実感したことです。

受験履歴は次のとおりです。日付はすべて2026年で、資格名の「AWS Certified」は省略しています。個々の試験対策は、各合格体験記にまとめています。

受験日 区分 資格 スコア 合格記
5/18 Specialty Security - Specialty 823 合格体験記
7/1 Specialty Advanced Networking - Specialty 769 合格体験記
7/14 Professional Generative AI Developer - Professional 794 合格体験記
7/25 Professional Solutions Architect - Professional 812 合格体験記
7/27 Professional DevOps Engineer - Professional 833 合格体験記
7/30 Associate Solutions Architect - Associate 807 Associate 3資格 合格体験記
8/1 Associate CloudOps Engineer - Associate 817 同上
8/3 Associate Developer - Associate 853 同上
8/5 Foundational Cloud Practitioner 811 Foundational 2資格 合格体験記
8/7 Foundational AI Practitioner 793 同上
8/24 Associate Data Engineer - Associate 773 Associate 2資格 合格体験記
8/31 Associate Machine Learning Engineer - Associate 784 同上

合格ラインはSpecialtyとProfessionalが750、Associateが720、Foundationalが700で、私は12試験とも1回で合格しています。

進め方

細かい学習計画は立てず、先に決めたのは受験の順番のみです。難易度の高い試験から先に取り組み、そこで学んだ知識を後続の試験でも使う方針で進めました。実際、Professionalの取得後は、AssociateやFoundationalの準備がだいぶ楽になりました。

AWS認定には、次の試験に使える受験料50%割引の特典があります。私は合格後にバウチャーの案内を確認すると、その場でカレンダーと試験センターの空きを見て次の試験を予約し、それから勉強を始めていました。2試験目以降はこのバウチャーを利用しました。制度上は試験開始の24時間前まで日程を変更できますが、私は予約した日を動かさないと決めていました。先に予定を入れ、締切の圧力で自分を動かすこの方法を、自分では「予定先入れ・締切駆動」と呼んでいました。予約を先にしたのは、「勉強が終わったら申し込む」では、いつまでも着手しない気がしたからです。目の前の1試験に集中でき、合格後に何をするかも決まっていたので、迷わず次に進めました。

勉強は基本的に、試験ガイドで範囲を確認し、演習問題やAWS Skill BuilderのOfficial Pretestで理解度を測り、不足している知識を補う流れでした。間違えたところや自信のなかったところを中心に、公式ドキュメントを調べ、AIも理解の補助に使いました。AIの説明は誤ることもあるため、技術的な根拠は公式ドキュメントで確認する必要があります。

先行する学習だけでは足りない部分もあり、私は試験ごとに準備の量を変えています。たとえばCloudOpsでは、演習で見覚えのない仕様が出てきたため、問題演習を1回分から2回分に増やしました。一方、同記事のDeveloperでは、実務経験と出題範囲が重なっていたため、試験ガイドの確認だけで受験しています。状況を把握し、重点的に調べるところと、どこまで調べるかを決めるというこの進め方は、業務のインシデント対応で行う優先順位付けに少しだけ似ている気がしました。

同じ進め方が成り立つ条件と全冠の限界

この受験ペースを支えた条件で、いちばん大きいのは学習と受験に使える時間です。私は試験センターを利用したので、空いている受験枠に合わせて数日おきに予定を調整できることも必要でした。次に、この領域の勉強を楽しめることです。資格の勉強で得た知識を業務のどの場面で使えるか、想像するのが面白かったので私は続けられました。興味を持てなければ、数日おきの締切はかなりの負担だったと思います。実務経験や先行資格の知識に加え、会社の受験補助、Skill Builderの有料プランやAIを使える環境も、このペースを支えた条件です。

全冠を達成した今の私は、試験に出る範囲の地図を一通り持ったくらいの状態です。サービスの用途や位置づけをつかむ助けにはなりますが、実際の設計・運用や障害対応には、個々のサービスに触れて経験を積む必要があります。

おわりに

「締切を先に買う」という進め方は、自分には合っていました。受験料を払って日付を決め、合否で区切りをつけ、次の予約に進む流れです。細かな学習計画がなくても、この流れで着手と完了を繰り返せたことは、資格そのものと同じくらいの収穫です。

昔の夏休みは、宿題の提出期限ばかりを見ていました。今回の受験では、資格ごとに近い締切と明確な完了条件がありました。当時とは経験も学習への興味も異なるので単純には比較できませんが、自分にとっては、遠い締切に向けて大きな課題を抱えるより、完了を判定できる単位に分けて近い締切を置くことが有効だったようです。今更ですが。